トヨタ マークIIブリッド 試乗レポート

トヨタ マークIIブリッド 試乗レポート
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旧型のFFレイアウトを捨て去り、プレミアム・スポーティワゴンの頂点を目指す。

リアスタイリングエンジン

マークIIのステーションワゴンは、マークIIの初代がデビューした1968年直後からラインアップしている。当時から、セダンをベースにボディ後半をワゴン化していた。しかし、先代のマークIIクオリスになったとき、セダンとは別のシャシーになり、FF車になった。だが今回のフルチェンジでは、再びセダンと同じFR車に戻っている。高級ワゴンというポジショニングを確立するためには、FR車のほうがよかったのだろう。新型マークIIブリットは、クラウンワゴンに次ぐ高級ワゴンとしてデビューした。

スタイリングはフロントマスクがタテ長のヘッド/ポジションライト、グリルは上部のみメッキを生かし、サイドウインドウの形状も個性がある。

気持ちのいい吹き上がりと粘りのあるフットワークが、走る楽しさを味わわせてくれる。

インパネフロントシート

トップモデルは直6の2.5Lターボ(1JZ-GTE型)エンジンを搭載した2.5iR-V。ミッションは4速AT。ゲート式のシフトパターンになる。D レンジでの加速性能は0→100km/hを6秒台で走りきった。6700rpmまで回ってシフトアップするスポーティチューンだ。ここまで回わすと1速で 70km/h、2速で140km/hに達してしまう。ターボトルクは低回転から強力だが、とくに3000rpmを超えると軽快になる。ワゴンであることを忘れてしまいそうなぐらいに、走りを楽しめる。

このときにうれしいのが足回りの粘りだ。ブリット用のサスは4輪ダブルウィッシュボーン。特にリアは新開発のセルフレベリングショックアブソーバーを使用している。このサスがコーナーでのロール時の抑えや上下動を制御している。乗り心地はややかため。上下の動きに対しての抑えもキツめでゴツゴツ感もある。

100km/h巡航は4速2500rpm。エンジン音は全体にやや大きめだった。ハンドルの操舵力も重め。スポーティなフィーリングではあるがもう少し軽い方が扱いやすいと思う。

スクエアなフォルムが広い居住空間を生んだ。ラゲッジの機能も使い勝手が高い。

リアシートラゲッジスペース

ボディサイズは全長、全幅ともにセダンのマークIIとほぼ同じ。しかし、ボディ形状はワゴンの方がスクエアなデザインなので、室内はセダンよりもずっと広い。フロント/リアシートともにサイズはたっぷりしている。ターボの運転席は電動シート。ヘッドスペースも十分だ。リアシートはセンタートンネルが大きく、大人3人掛けはちょっと苦しいが、2人で乗る分には快適。ドアウインドウも全開にできる。

リアシートの背もたれは、6:4分割で前に倒すことができる。座面は引き起こせないが、背もたれを倒すだけで荷室の床面とほぼフラットになる。ラゲッジスペースには、折り畳み式のユーティリティボックスが備わっていた。これはフタだけを立てて仕切り板として使えるなど便利なアクセサリー。全車に標準装備されているので上手に使いこなして欲しいものだ。

4WD用も含めるとエンジンは4種類。グレードごとに異なる性格が与えられていた。

ラゲッジスペースタイヤ&アルミホイール

メインに試乗したのは2.5Lターボモデルだったが、このほかにも2.5LのD4エンジン(これは5速ATになる)、2Lモデルもある。2.5LD-4エンジンの2.5iR-Sは、2000rpmからの加速は軽快だが、強烈なパンチ力に欠ける。大人のワゴンという感じ。2Lモデルはバランスがとれた実用車という印象だ。

2.5LターボとD-4は17インチのタイヤを装着していたが、このタイヤは銘柄によってタイヤノイズに差があった。乗り心地は全体にやや硬めに感じた。

その点、2Lモデルは16インチタイヤを装着。こちらは乗り心地にしなやかさがあり、ハンドルの動きもスムーズ。タイヤノイズはちょっと大きめなのがカッコ悪いが、実用性では2L+16インチタイヤでも十分に使える。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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