トヨタ 新型 アクア[2013年12月マイナーチェンジモデル] 試乗レポート/今井優杏(3/3)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村栄二
遮音性や乗り心地の向上により、クルマとしての完成度も大幅アップ
燃費ばかりが騒がれているが、実際に試乗をしてみると、ライバルであるホンダ 新型 フィットを見てか知らずか、クルマとしての完成度も格段に向上しているのが良く分かる。
『あれ?アクアってこんなに乗り心地のいいクルマだっけ?』と乗ってすぐに実感できるほどである。
まず、非常に室内が静かなこと。ハイブリッドカーにおいて一番気になるのは、実は静かすぎるハイブリッド走行中のロードノイズの集音だったりするのだが、その辺がしっかり抑えられているから基本的な快適性が高い。
エンジン走行に切り替わってからも、マイチェン前よりエンジンの唸りが車内に入って来ることが格段に低減されている。例えばそれは、勾配の強い登りの坂道なんかでアクセルを踏み足して加速を再開したときでも実感出来るほどだ。
これは遮音材がきっちり追加されていることのほかに、サスペンションをチューニングしたことによる恩恵も大きい。路面のギャップをはじくのではなく、いなす方によく動いている感覚を得た。
もともとアクアはハイブリッドらしからぬスポーティーな走り、路面の追従性の高さが魅力のクルマではあるのだが、そのスポーツ感はそのままにさらに上質なグレードになった感じ。アシがいいのでコーナリングも快適で、もともと『小回りクン』なアクアだったが、左右への切り返しが続くタイトなワインディングも、大きな弧を描くカーブもさらにしっかりと頼りがいがあって楽しい。
快適性能としては駐車などのときに、キーのロック・アンロックに連動してミラーが開閉する機能が付いた。ちいさなことだがタワー式の駐車場や、車両同士の間隔が狭い駐車場ではかなり重宝する。だっていちいち手動で開閉するの、案外面倒だし。
また、ヒルスタートアシスト機能も追加されたが、これは坂道で一旦停止した際にロックをかけて車両の後方へのずり落ちを防ぐ機能で、これもまた便利で有り難い機能だ。
燃費のみならず上質さも加わり、再び王者に返り咲くか
試乗を終え、クルマを降りるときにメーター内の燃費計を見て驚いた。
特に燃費を気にしない、どころか割と積極的にアクセルを踏みまくったシチュエーションにおいて(坂道のアップダウンももちろんあり)、なんと平均燃費が21.0km/Lをマーク! バケモンやで!!
燃費はもとより廉価感がぬぐえなかったマイチェン前に比べ、クルマとしての上質さが加わったアクア。王者奪還の冠を被り、またさらに販売台数を伸ばすことは間違いない。
[レポート:今井優杏/Photo:島村栄二]
トヨタ 新型 アクア「G」 主要諸元
全長x全幅x全高:3995x1695x1445mm/ホイールベース:2550mm/車両重量:1080kg(メーカーオプション除く)/駆動方式:前輪駆動方式(FF)/乗車定員:5名/エンジン種類:「1NZ-FXE」型 直4 DOHC ガソリンエンジン/総排気量:1496cc/エンジン最高出力:74ps(54kW)/4800rpm/エンジン最大トルク:11.3kg-m(111N・m)/3600-4400rpm/モーター種類:交流同期電動機/モーター最高出力:61ps(45kW)/モーター最大トルク:17.2kgf・m(169N・m)/動力用主電池:ニッケル水素電池(6.5Ah)/トランスミッション:電気式無段変速機/燃料消費率:37.0km/L[JC08モード]/メーカー希望小売価格:187.0万円[消費税込み、以下同]
※試乗車は「スマートエントリーパッケージ」(53,550円)/「LEDヘッドランプパッケージ」(115,500円)/「アドバンストディスプレイパッケージ」(42,000円)/「ビューティーパッケージ」(26,250円)/「ナビレディパッケージ」(42,000円)/「オーディオパッケージ」(46,200円)/「SRSサイドエアバッグ(運転席・助手席)&SRSカーテンシールドエアバッグ」(42,000円)/「シートヒーター(運転席・助手席)&排気熱回収器」(21,000円)/「175/65R15タイヤ&15x5 1/2Jアルミホイール(センターオーナメント付)」(47,250円)の各メーカーオプションと、ディーラーオプション「エクセレントナビ NHZD-W62G(G-BOOK mX Proモデル)」(240,975円)等を装着。
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