アルファードが前年比160%増とバカ売れ! その影でヴェルファイアは半分の台数しか売れないワケとは!?
- 筆者: MOTA編集部 木村 剛大
- カメラマン:MOTA編集部
2020年度もっとも売れた新車は化け物級の人気を博しているN-BOX。かと思いきやヤリスが1位に輝いた。だが、その事実よりも注目すべきことが起こっている! あのアルファードが前年比157%増と超売れているのだ。しかもその影で兄弟車のヴェルファイアは前年比の約50%に落ち込んでいる。一体この2台に何が起こっているのか!?
アルファード誕生のキッカケは初代エルグランドにあった
本題に入る前にアルファードとヴェルファイアの関係性をおさらいしよう。先のも述べた通りこの2台は完全な兄弟車である。
2003年に初代アルファードがデビュー。1997年に登場した日産 エルグランドが独占していた高級ミニバン市場にトヨタが本気で挑戦状を叩きつけたというイメージだ。
その後2008年に2代目アルファードがデビューし、そのタイミングでヴェルファイアも登場。この2台は走行性能や車内デザインはまったく同じながら、エクステリアデザインを差別化することで棲み分けしている。
販売チャネル統合でセールスマンの売り方に変化
そもそもなぜ2車種をラインアップしているのか? といえば、トヨタの販売チャネル戦略に起因する。2020年から全チャネルで全車種を取り扱うようになったが、アルファードはトヨペット店、ヴェルファイアはネッツ店というように、買えるお店が決まっていたのだ。
じつはコレにこそ、今回の原因があると考える。ディーラーマンを経験した筆者が思うに、販売の最前線では“売れる車種を売りたい”という心理が働く。もっともこれまでお客さんが「アルファードがほしい」と言っても、そのお店が取り扱っていない車種であれば言葉巧みに他の車種を提案するケースも少なくなかったのだ。
だが先にも述べた通り、今は全店で全車種を販売できるために、お客さんの希望通りの車種を勧められる環境が整ったというワケだ。
兄弟格差広がる! アルファードが9倍の売り上げ
ここまで記したのは、単なる筆者の考えではない。アルファードとヴェルファイアの売れ行きについて、時系列で振り返ってみよう。
まずはそれぞれの2020年度(2020年4月〜2021年3月)の販売台数を比較してみると、アルファードは10万6579台、対するヴェルファイアは1万4749台と、実に9倍近く差が生じているのだ。
コレだけ見ればヴェルファイアって人気ないのね……となってしまうが、それは違う。同条件で2019年度の実績を見てみるとアルファードは6万7823台、ヴェルファイアが3万1203台とその差は約2倍と、2020年度ほどの違いはなかった。もっといえば2016年度のデータではヴェルファイアのほうが売れていたのだ。
忍び寄る兄弟車文化の終焉
もともとアルファードの人気が凄まじいという事実もあるが、ひとえに販売チャネル戦略の変更によりここまで差が生じてしまったという裏付けでもある。
一見、販売チャネルの整理はユーザーにとっては“どのお店でも買えるから便利”にも思える。
だが、その一方で日本メーカー、とくにトヨタが得意としていた兄弟車文化が絶滅する恐れがある。一部情報筋によると、ヴェルファイアは現行型で消滅し、次期アルファードに吸収される、というのだ。
確かにアルファードとヴェルファイアは、単にフロント周りなどのデザインが異なるだけの兄弟車だった。しかしそれぞれのデザイン性に固有のファンがいたのも事実なのである。
アルファードが売れる、というのは喜ばしい事実ではあるが、今後の兄弟車たちはどんな将来が待っているのか? 今後もアルファード/ヴェルファイアの動向に注目だ!
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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