【試乗】トヨタ 新型 アルファード・ヴェルファイア[2015年フルモデルチェンジ] 試乗レポート／今井優杏(1/5)

新型アル・ヴェル、注目すべきは「ドヤ顔」のみにあらず！！

ドヤ！的存在感なんである。その押し出し感たるや、多分高速道路でコレがバックミラーに迫ってきたら、ソッコー無条件で「ど～ぞ～！」と道を譲ること請け合いだ。

トヨタの最高級ミニバン、「アルファード」「ヴェルファイア」がフルモデルチェンジを果たした。J Soul Brothersじゃないけど、これで実に3代目である。で、多分そこにはなんの関連性も意図もないけれど、因果なことに「三代目 J Soul Brothers」とか「EXILE」とか、そういう系の音楽を好んで聴くような層が泣いて欲しがるかのごとき迫力フェイスに生まれ変わった。

だがしかし、その見た目のインパクト(しかもかなり強烈に刷新されたアルファードのギラギラグリル)ばかりが取り沙汰されがちなのは、あまりにも残念だと感じた。

だって、今回の試乗を通じて知ったこのクルマの圧倒的な進化は、推敲に推敲をまるで関西マダムのファンデーションがごとく幾重にも重ねて作り込まれたド級のインテリアと、格段に向上した乗り心地にこそあるのだから！

アルファード／ヴェルファイア、これはもはやミニバンにあらず！！

ちなみに今回、トヨタはこのアルファード/ヴェルファイアに対し、公式には“ミニバン”という表現を避けている。それはこれらが“ミニバン”ではなく、『アルファード/ヴェルファイア』という新しいセグメントを切り拓いているという心意気らしい。うん、そういう熱血ストーリーも多分、ちょっとヤンチャな嗜好を持った若者にも響くだろう。

だけどこのクルマが侮れないのは、マイルドヤンキー(あ、言っちゃった)に売ろうとしているだけのクルマじゃないってところにある。

いや、もちろんソコも大事な顧客層なんだけど、今やこのアルファード/ ヴェルファイアは、会社社長含め役員送迎車のような、法人需要の高いVIPカーとしての役割をも担っているのだ。

だから自ずと期待値も高く設定されてしまったその品質たるや、ハンパなクオリティではない。『己の敵は己自身だ』とは私の愛するモモクロちゃんも歌っていたけれど、まさにアルファード/ ヴェルファイアの敵は先代アルファード/ ヴェルファイア。『社長を乗せるクルマ』として、もんのすんごくしっかりと作り込みがなされているのである。

[日本中の社長さん、注目！・・・次ページへ続く]