スズキ スイフト RS 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
コイツは意外と玄人好みの一台!?
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試乗を続けていたら、RSこそが、スイフトのベストモデルのように思えてきた。5速MT仕様の車両価格は137万250円。ベースとなるスイフトXGに対して12万6000円の価格アップになる。
15インチのスチールホイールが16インチのアルミホイールにグレードアップされ、エアロパーツも装着。この外装の変更だけで、RSとXGの差額は埋まってしまう。従って足まわりのチューニング、本革巻きのステアリング、フォグランプ、ドアミラーのサイドターンランプなどはサービス装着される計算が成り立つ。スポーティ指向ながら、お買い得な特別仕様車でもある。
となれば、スイフトスポーツと同様、RSも説得力の強い選択肢。スイフトスポーツは、1.6リッターエンジンに6速MTを組み合わせ、足まわりも別設計になるから一概に比較できないが、RSは価格が約31万円安く、1.2リッターエンジンの性能をフルに発揮させる楽しさも得られる。
玄人好みというか、少し非力なクルマをコーナーリング時のテクニックで速く走らせるのが好きなドライバーにとって、RSはピッタリの選択肢だろう。40代以上のクルマ好きが乗れば、若かった頃のホットハッチも思い起こされそうだ。
それにしても、スイフトスポーツの発売が2011年11月28日、RSが同月17日というタイミングは興味深い。「スイフトスポーツは文字どおり生粋のスポーティモデルですが、1.2リッターのRSでも十分に楽しめますよ」という余裕のメッセージとも受け取れる。
開発者は「本当は時期を少し変えたかったのですが、営業サイドの要望も根強くて…」と苦笑していた。それでも冒頭で触れたとおり、「以前から投入したいと思っていたクルマ」。RSの発売に嬉しそうだった。
ユーザーにとっても気持ちは同じだろう。指向性の異なる2種類のスポーティ仕様を用意するコンパクトカーは、スイフト以外には存在しないからだ。
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