スズキ 新型eビターラの予想価格は430万円〜? 発売時期はいつ? 本当に“買い”なのか?

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スズキが満を持して投入する、ブランド初のグローバル電気自動車(EV)「eビターラ」。その全貌が明らかになるにつれ、「一体いくらで買えるのか?」「発売はいつ?」「そして、本当に買いなのか?」といった期待と疑問の声が高まるでしょう。

そこでこの記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが、新型eビターラの予想価格や予想発売時期、そして多くの人が気になるであろう内装の使い勝手やバッテリー性能、航続距離といった最新情報を網羅的に解説。

さらに、実際に新型eビターラのプロトタイプを試乗して見えてきた、リアルな走行性能や使い勝手まで、徹底的に深掘りします。

目次[開く][閉じる]
  1. スズキ 新型eビターラとは?
  2. 新型eビターラの予想価格
  3. 新型eビターラの予想発売時期
  4. 新型eビターラの外観(エクステリア)
  5. 新型eビターラの内装(インパネと前席)
  6. 新型eビターラの内装(後席と荷室の使い勝手)
  7. 新型eビターラのバッテリー容量と航続可能距離
  8. 試乗レビュー! 新型eビターラの走行性能
  9. 価格は高いが他にない魅力あり! 新型eビターラは誰におすすめ?

スズキ 新型eビターラとは?

日本でEVの普及が遅れている一番の理由は、購入可能な車種が少ないことです。国内販売1位のトヨタでさえ、レクサスブランドを除けばEVはbZ4Xのみ。そんな状況を変えるかもしれないのが、スズキの新型EV「eビターラ」です。

新型eビターラは、スズキがグローバル市場に投入するコンパクトSUVタイプのEVです。都市での使いやすさと、SUVらしい悪路走破性を兼ね備え、最新のEV技術が詰まった一台として注目されています。

新型eビターラの予想価格

新型eビターラの価格は現時点(2025年7月10日)では未定ですが、スペックをもとに価格予想をしていきましょう。

駆動用リチウムイオン電池やモーターの動力性能は、現行の日産 リーフに近い水準です(ちなみに、次期リーフは機能が充実し、価格も高くなる見込みのため新型eビターラの価格帯とは異なります)。

現行リーフに近い水準として考えると、新型eビターラで最も安価な2WDの49kWh仕様は、価格が430万円前後と予想されます。

国から交付される補助金が80万円くらいだとすれば、価格から補助金を差し引いた実質価格は350万円となる計算です。

2WDの61kWh仕様は、装備も充実して価格は530万円前後と予想されます。補助金を差し引くと実質450万円となるでしょう。

4WDモデルは後輪をモーターで駆動するタイプで制御も複雑化するため、2WDよりも40万円ほど高くなり、約570万円前後になると考えられます。

バッテリー容量/駆動方式予想価格実質価格

49kWh/2WD

約430万円

約350万円

61kWh/2WD

約530万円

約450万円

61kWh/4WD

約570万円

約490万円

新型eビターラの実質価格350万円は、従来のスズキ車に比べると突出して高い設定です。

EVという性質上、既存のスズキ車からの乗り替え需要も乏しく、これはスズキにとって難しいチャレンジとなるでしょう。

新型eビターラの予想発売時期

新型eビターラの国内における正確な発売時期はまだ公式発表されておらず、多くの販売店でも「まだ詳しい情報はない」という状況です。

しかし、2025年度中(2026年3月まで)に発売されることは確実視されています。

実際に、本日2025年7月10日(木)からは公式サイトでティザーサイトが公開されました。これを皮切りに、10月頃には予約受注が開始される可能性が高いと見られます。

また、2025年10月30日(木)から開催予定の「ジャパンモビリティショー2025」では、スズキブースの主役として大々的に実車が展示されることも間違いないでしょう。

新型eビターラの外観(エクステリア)

新型eビターラはインド製の輸入車で、全長4275mm、全幅1800mm、全高1640mmというコンパクトSUVに分類されます。

全長や全幅はマツダのコンパクトSUV「CX-3」などに近く、都市部での取り回しやすさも期待できます。最低地上高は185mmを確保しているため、悪路も不安なく走れるでしょう。

フロントマスクはLEDランプによる特徴的な表情を持ち、18インチの大径タイヤを採用。

床下に駆動用リチウムイオン電池を搭載するため、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も2700mmと長く設定されています。

新型eビターラの内装(インパネと前席)

続いて、新型eビターラの内装の使い勝手を解説していきます。

運転席に座ると、ボンネットの左右が少し持ち上がっているため、車幅やボディ先端位置が分かりやすいのが特徴です。フロントウィンドウの角度を立てたことで、適度な開放感があります。

一方で、サイドウィンドウの下端が高めでボディ後端のピラー(柱)も太いため、側方や斜め後方の視界はあまり良くない点には注意が必要です。

メーターパネルにはワイドなディスプレイが並び、多彩な情報を表示可能です。

ステアリングホイールは、直進状態で上下が平らにデザインされた個性的ですが、液晶メーターの視認性や前方視界を確保し、ドライバーの膝との干渉を避けるための工夫です。

ただし、ドライバーによっては操作性に違和感が生じることもあるかもしれません。

インパネには合成皮革が貼られ、ATのダイヤル式スイッチが収まるセンターコンソールには光沢のあるブラックパネルが使われ、操作性も良好です。

前席の座り心地は快適で、背もたれは硬めで肩も離れにくい造りです。体重がかかる背もたれ下側と座面後方はしっかりとしており、長距離移動でも快適でしょう。

ただし、カーブでの体の支え方には少し甘さを感じました。

新型eビターラの内装(後席と荷室の使い勝手)

新型eビターラの後席は、床下に駆動用リチウムイオン電池が設置されるため床が高めです。そのため床と座面の間隔が不足しがちで、膝が持ち上がりやすく、大腿部も座面から離れやすい傾向にあります。

その一方で、後席の座り心地自体にはボリューム感があります。身長170cmの大人4名が乗車した際、後席の頭上空間は握りコブシ1つ弱、膝先空間は握りコブシ2つ分で、広々とした印象ではないものの、4名乗車は可能です。

後席の外側ドアハンドルは高い位置に縦向きに装着されているため、小柄な乗員には開閉操作がしにくい場合もあります。

また、後席は天井が下降しているため、乗り降りには頭を少し下げる必要があります。

荷室は床が高めですが、後席にスライド機能が備わり、荷室長を675〜835mmの範囲で調節できるため、実用的な広さは確保されています。

新型eビターラのバッテリー容量と航続可能距離

新型eビターラのバッテリー容量は、前輪駆動(2WD)に49kWhと61kWh仕様の2種類、4WDは61kWh仕様の1種類です。

仕様別の最高出力は以下の通りです。

最高出力

49kWh(2WD): 106kW(144馬力)

61kWh(2WD): 128kW(174馬力)

61kWh(4WD): 前輪128kW(174馬力)+後輪48kW(65馬力)

1回の充電で走行可能な距離(WLTCモード)は以下の通りです。

1充電航続可能距離

49kWh(2WD): 400km以上

61kWh(2WD): 500km以上

61kWh(4WD): 450km以上

試乗レビュー! 新型eビターラの走行性能

今回試乗したのは、新型eビターラの61kWh仕様の2WDと4WDモデルです。

EVならではの滑らかな加速と自然な運転感覚

アクセルペダルを踏み込んだ瞬間に急発進するような、一部のEVに見られる唐突な動きはありません。

モーター駆動らしく、アクセル操作に遅れなく正確に反応するため、非常に運転しやすい印象です。

特に4WDモデルは、後輪モーターのアシストによって、アクセルをさらに踏み込んだ際の加速がより力強く、余裕が感じられました。

卓越した走行安定性と扱いやすい動力性能

特に印象的だったのが、卓越した走行安定性です。

2WDが1790kg、4WDは1890kgという車両重量を感じさせないほど、走りは安定しています。後輪の接地感が非常に高いため、ドライバーは常に自信をもって運転できるでしょう。

急なハンドル操作を行うとボディは相応に傾きますが、挙動が不安定になる気配はなく、安心してコントロール下に置けます。

この優れた安定性の背景には、床下のバッテリーがもたらす「低重心設計」、強化された「ボディ」、そして「長いホイールベース」という確かな裏付けがあります。

また、4WDは前後輪を別々のモーターで駆動するため、駆動力配分を緻密に制御できます。加速時には車両の荷重が後輪側に加わり、後輪の駆動力配分を相対的に増やすことで優れた安定性が得られます。

長距離ドライブも快適! 乗り心地と操舵感

パワーステアリングはやや重めの設定。街中ではもう少し軽さが欲しいと感じるかもしれませんが、この重さが高速道路では優れた直進安定性につながります。

乗り心地も同様の傾向です。タイヤの指定空気圧が250kPaと高めなこともあり、時速50km以下の低速域では路面からの硬さをやや感じます。

しかし、速度が上がるにつれて乗り心地はしなやかで快適なものに変わっていきます。パワーステアリングと乗り心地、その両方が高速走行を重視してセッティングされていることが明確に伝わってきました。

価格は高いが他にない魅力あり! 新型eビターラは誰におすすめ?

新型eビターラは、スズキのラインナップの中では高価格帯であり、これまでのスズキユーザーがすぐに乗り換える、というタイプの車ではないかもしれません。

日本でEVを成功させるには、日産や三菱などと提携し、メーカーの垣根を超えたEV専門のディーラーを用意するなど、販売面でも新しい対策が求められています。

では、この新型eビターラはどんな人にとって「選ぶべき一台」になるのでしょうか。

それは「都市部での扱いやすさ」と「いざという時のSUVらしい走破性」を両立させたい人です。その上で、EVならではの静かで力強い走りや、最新の安全装備といった付加価値に魅力を感じる方であれば、非常に満足度の高い選択肢となるでしょう。

一方で、購入前によく検討したい点もあります。特に、後部座席の広さを重視する方や、やはり従来の スズキ車と比較して価格をネックに感じる方もいるはずです。

新型eビターラは万人向けの車ではありません。しかし、そのユニークな個性と価値がライフスタイルに合致するならば、他に代えがたい一台になる可能性を秘めています。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正/小林 岳夫】

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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