STIコンプリートカーモデル 試乗レポート スバル「BRZ tS 2015モデル/レヴォーグ STIパッケージ装着車」/山本シンヤ(1/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂幸正
古くから積極的な活動を行っているSTI
スバル直系のワークスチューナーであるSTI(スバル・テクニカ・インターナショナル)。
現在はスーパーGT/ニュル24時間と言った「モータースポーツ活動」、スバル車の素性をより引き上げる「コンプリートカー」や「スポーツパーツ」の開発・販売などが主な活動内容となっている。
特にコンプリートカーは古くから積極的にリリースを行なっており、過去にはWRカーレプリカの「インプレッサ22B STiバージョン」などが有名である。
現在はパワートレインにも手が入る本気の「Sシリーズ」と、ノーマルの潜在能力を引き上げ、STIの技術をより多くの人に知ってもらうための「tS」の2つのシリーズをラインナップしている。
ちなみにtSはこれまでスバルの主要なモデルには必ずラインナップされてきたが、その最新バージョンが『BRZ tS 2015モデル』である。実はBRZ tSは2013年に登場しているので、今回のモデルは第2弾となる。2年前はやり切ったと思っていた事も、たくさんの道を走り、たくさんのユーザーの意見を聞くことで新しいアイデアや技術生まれ、それらを用いてレベルアップされている。
このモデルの試乗はすでに紹介をしているので、ここでは補足をいくつか…。
「市販されているSTIのスポーツパーツを組み合わせているだけ…」は、大きな間違い!!
スバルは2014年に中長期計画を発表したが、その中に「STIブランドの強化」を掲げている。STIの平川良夫社長は「STIコンプリートカーは、“ベースモデルよりも良くなっていますね”ではなく、世界の名だたるクルマと比べても誇りを持っていける水準に持っていきたい」、「走りがいいのは当たり前、その上に人間の能力をこえたしなやかさ/心地よい刺激/上質な雰囲気が必要だと思っています」と語るように現在、改革が進められている。
BRZ tS 2015モデルは、フレキシブルVバーやビルシュタインダンパー、ドリルドローターなど走りの部分に目が行きがちだが、エクステリアはフロントとリアの「チェリーレッドアクセント」、フロントバンパーの「LEDデイライナー」、「デイライトカバーエクステンション」を採用。更にはノーマルにない専用色「サンライズイエロー」も用意している。
インテリアもブラック/レッドのコーディネイトだけでなく、サイサポート性を引き上げた専用レカロシートの採用や静粛性をより引き上げるための吸音材/遮音材の追加なども行なわれている。そういう意味では、コンプリートカーを「所有する喜び」の部分も以前よりも引き上げられているのだ。
ちなみに、ユーザーの中には「STIコンプリートカーは、市販されているSTIのスポーツパーツを組み合わせているだけ…」と言う人もいるが、それは大きな間違い。
カタログに掲載されているアイテム以外の細かなパーツの変更や、同じアイテムであってもコンプリートカー用に最適化されているパーツも多い。更に、組み付けもラインではできないような手間のかかる方法を行うなど、全てがコンプリートカーとしてのバランスで成り立っているのだ。筆者もノーマルのBRZを用いて、tS化のトライをしたことがあるものの、tSに近づくが同じ乗り味にはならなかった。
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