STIコンプリートカーモデル 試乗レポート スバル「BRZ tS 2015モデル/レヴォーグ STIパッケージ装着車」/山本シンヤ(2/2)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:茂呂幸正
「最小限の変更で最大限の効果」を生むアイテム
そんなSTIコンプリートカー最大の問題は、台数限定なので「欲しいタイミングで購入できない」こと。しかし、STIの目指す「強靭でしなやか」、「運転が上手くなる」走りは、簡単に手に入れることができる。
今回、レヴォーグ1.6GT-S(初期モデルであるA型)にフロントアンダースポイラー/サイドアンダースポイラー/リアアンダースポイラーのセット(STIスタイルパッケージ)に、スカートリップと独自理論の補剛パーツであるフレキシブルタワーバー/フレキシブルドロースティフナーがセットの『STIパフォーマンスパッケージ』を装着したモデルに試乗することができた。
実はレヴォーグを開発する上で「量産車でもSTIコンプリートカーのような乗り味」というテーマが盛り込まれたとのこと。
実際にレヴォーグに乗ると、応答遅れが少ない上にスムーズなステアリング系、しなやかに動くサスペンション、剛性を上げるだけでなくバランスを考えた車体を実現させるために、様々なアイデアが盛り込まれているそうだ。
しかし、全てが実現できたか…というと、硬めの乗り味やリアサスの収まりの悪さなど、気になる部分があるのも事実だ。ちなみに素性が良いクルマは僅かな変更でクルマが大きく変わる。STIパフォーマンスパッケージはSTIの走りを体感する入門編のアイテムだが、その効果は「最小限の変更で最大限の効果を生」むアイテムなのだ。
デメリットが無く、価格もリーズナブル
何が違うのか?
それは駐車場から出るだけで解る。
ゆっくりと操舵すればステアリング系を高剛性&低フリクションなアイテムに交換したかのように、シッカリかつスムーズなフィーリングとなる。路面の凹凸もダンパーの減衰を1クリック柔らかくしたようなしなやかさがあるのに、路面の状況はより解りやすくなりハンドリングの安心感も増している。
ちなみにタイヤ(ホイールはSTI製)も足回りはノーマルのままである。これらの効果は、フレキシブルタワーバー/フレキシブルドロースティフナーでボディ剛性のバランスや力の伝達経路が変わり、結果的に4つのタイヤの接地性があがった=タイヤの性能をより引き出せるようになったと言うわけだ。さらに、リアサスの収まりの悪さは、空力バランスの最適化(フロントのリフト低減)にも影響しているそうだ。
その走りは「ノーマルがこうだったらいいのに…」である。
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