東北地方太平洋沖地震と自動車産業の今後(1/2)

東北地方太平洋沖地震と自動車産業の今後
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「日本(人が出す情報)は信用出来ない」

これは、福島第一原子力発電所の事故問題に関する、アメリカメディアの声だ。

困ったことに、これは原発に対してだけでなく、自動車産業界を含めて「日本の信用力」全体に波及してしまう危険性がある。

3月17日時点、アメリカ国内のテレビ放送や新聞、ウェブにおける日本の評判は芳しくない。

その発端は、福島第一原子力発電所からの避難勧告におけるエリア設定だ。日本側は同発電所から半径30kmを屋内退避とし、アメリカ大使館は同地域の米国人に対して半径80km(アメリカの50マイル)を屋内退避としたからだ。

この屋内避難勧告発表に至るまでも、アメリカのメディアは、東京電力と日本政府における意見の食い違いや、日本政府のメディアに対する情報公開の少なさ・不正確さについて非難してきた。

また、地震、津波の被害について、アメリカ人は日本に対してお悔やみの気持ちを強く持っていた。

ところが自国民の安全、放射性物質による被曝の問題が関わってくると、アメリカ人は目の色を変えたのだ。

その後、米側の原子力委員会関係者や米政府高官が「日本側のいう半径30kmの解釈も理解出来る」と、後付け的に発表。だが、時すでに遅し。日本の信用力が地に落ちたといってよい。

そして、この「80km圏、屋内退避勧告」報道と同時に、日本で就業している欧米中韓など多くの外国人に対して、本国企業から「日本脱出」、または「大阪方面など東日本からの脱出」が勧告された。

筆者の知る米系企業関係者の家族たちも、16日に大阪へ逃げた。

元々、多くのアメリカ人は「日本人はなにを考えているのか、よく理解出来ない」という。質問しても、日本人は曖昧な答えをしたり薄笑いを浮かべる。

アメリカへ旅行に来る日本人やアメリカで駐在する会社員などに対し、アメリカ人からそうした言葉を際限なく聞かされた。そして、これはコミュニケーションの違い、文化の違い。そう説明されてきた。

しかし、今回の原発事故は国家の一大事、生命の危機に関わる問題だ。そうした事態になっても、日本人は曖昧、という印象をアメリカ人は強く持った。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

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