急な割り込みや急ブレーキ、進路変更……。プロドライバーのプロ意識はどこへ!?
- 筆者: 永田 トモオ
傍若無人すぎるタクシードライバー
いつも交通量の多い、駅前の通りを走りながら考えた。
前に出ようと思えば割り込まれる、急な車線変更で止まらされる...。タクシーの運転は、いつの時代も傍若無人だ。
最近は、盛り場やターミナル駅周辺以外では少なくなっている気がするが、急ブレーキ、割り込み、車線横断などなど、タクシーの自由気ままな運転ぶりは、この数十年間変わることのない悪しき日本の伝統といえる。
この要因としてよく言われるのが、タクシー業界はドライバーの入れ替わりが激しいということ。法人タクシーには、常に沢山の新人ドライバーがいて、ベテランドライバーと同じ仕事を求められるから、客を拾うために勢い無茶な運転をしてしまうというのだ。
確かに、熟達したタクシードライバーの多い個人タクシーでは、無理な運転をあまり見かけることはない。会社員的な法人ドライバーに対して、プロ意識の高い個人ドライバーというのも、ムカシからよく言われる話だ。
運転の上手い下手は、運転テクニックのみを指すものではない。上手いドライバーとは、道やクルマの動きをよく知っていて、自分がどう走れば周囲に迷惑がかからないか、いつも意識して走れるドライバーのことなのだ。
値下げ競争が生んだモラルやマナーの低下
プロ意識といえば、どこへ行ってしまったのかと思うくらい酷い運転や事故が続いているのがバスだ。
国の統計を見ると、路線バスなどの乗り合いバスの事故数は年々増えていて、運転手の健康状態にまで問題が及んできているのが分かる。大都市圏のドライバーなら、路線バスの危うい運転を目にしている人も多いだろう。
高速道路では、観光などの貸し切りバスの快速さが気になる。最新の観光バスは、高速走行の安全性も高いといわれるが、だからどんどん追い抜きをかけてOKということにはならない。ボクも最近、高速道路で観光バスに煽られるように抜かれてシビれたことがあって、バスの性能に感心しつつも、なんとなくその運転手に不安を感じたものだ。
2002年のタクシー業界とバス業界への参入規制緩和の後、新規参入会社との競争で、タクシーや貸し切りバスの運賃は確実に安くなった。しかし、参入で車両数が増えた結果、ドライバーの収入が減って、結果的にドライバー自体が慢性的な人手不足に陥っている。この規制緩和がすべてとは言わないが、運賃の値下げ競争が、ドライバーのモラルやマナーを引き換えにしてしまったような気がしてならない。
プロ意識をもってハンドルを握って欲しい
もう四半世紀以上も前のこと、バブル景気の終わり頃の東京都内での話だ。ある時、急ぎの仕事でタクシーに乗ったら、運転手から「ワタシ、まだこの仕事を始めたばかりで道が分からないので、すいませんが教えてください」と言われて、思わず目が点になったことがあった。そんなことを言われたのは初めてだったし、タクシーの運転手が道を知らないなんてあり得ないと思っていたからだ。
その後何度も、同じようなことを言う運転手のタクシーに乗る機会があったが、ある時期からまったく聞かなくなった。そう、タクシー業界にもナビゲーションが普及するようになったのだった。
もちろん、いつの時代も道をよく知っているタクシードライバーのほうが断然多いに違いない。道を知っていればスムーズに客を運べるわけで、そうでなければ自信を持って運転できないだろう。だから、道を知らないと言ってしまうタクシードライバーのプロ意識というものは、一体どこにあるのだろうと思ってしまうのだ。
[筆者:永田 トモオ]
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