安全第一! クルマが発する故障前のサインを感じ取ろう
- 筆者: 増田 真吾
暑さでバテるのはクルマも同じ
9月に入り、うだるように暑い日が少なくなってくると、いよいよ秋の行楽シーズンに突入。家族や友人と、ドライブやお出掛けの計画を立てている方も多いと思う。しかし、もしも移動中にクルマが故障してしまったら、楽しいハズのお出かけも台無しに…。
私たち人間が暑さで体調を崩すのと同じように、クルマも暑さによって少なからずダメージを負っている可能性がある。楽しいお出掛けが台無しにならないようにするためにも、故障してしまう前に、早めの点検や整備をオススメしたい。
もちろん長距離ドライブに出掛ける時には、事前に整備工場で点検をしておくことが理想的だが、日々の運転時であっても、クルマが発する故障前のサインを感じ取ることが可能だ。
夏はバッテリーの負担が大きい
JAFが発表している、月別のロードサービス実施状況(2018年4月~2019年3月)を見てみると、12月が216,637件(うち2輪5,590件含)ともっとも多く、8月が211,624件(うち二輪5,784件含)と2番目に多い。
そして救援依頼内容では、“過放電バッテリー”いわゆるバッテリー上がりが全体の3割近くを占めており、暑い時期にはバッテリートラブルが多いことが伺える。
もちろん、近年は電気の依存率が増えていることや、シーズンを問わず、バッテリー上がりがもっとも多いトラブルではあるが、バッテリーが暑さや寒さに影響されやすいことも事実。
特に夏場はエアコンの使用頻度が高く、炎天下の中では常に全開で稼働させている場面も増え、ヘッドライトを使用する夜間ともなれば、エンジンの発電機(オルタネーター)では賄いきれない。すると不足する電気はバッテリーから供給されることになり、バッテリーに掛かる負担も大きくなってしまう。
ハイブリッド車はもちろん、近年のクルマは、燃費向上の目的でバッテリーの充電自体も綿密に制御されており、一昔前と比べてバッテリーの劣化が分かりにくくなっている。ちょっとでもスターターモーターの回転が遅いなどの症状を感じた場合や、3年以上バッテリーを交換していない場合は、お出かけ前の点検や早めの交換を心がけよう。
暑い日にはオーバーヒートに要注意
気温が30度を超えるような日は、エンジンルーム内は100度近くになることもあり、まだまだ気温の高い9月はオーバーヒートにも注意したい。
エンジンが異常な温度にまで上昇してしまうことを「オーバーヒート」と呼ぶが、オーバーヒートでもっとも厄介なことは、エンジンが焼き付いてしまうことだ。
エンジン内部のピストンやカムシャフトなどの部品は、1ミリにも満たないクリアランス(すき間)で組付けられている。そのため、想定を超える高温になることで金属が膨張し、必要なクリアランスが確保できなくなり、最終的に“焼き付き”を起こしてしまう。
オーバーヒートを防ぐためには、当然冷却水の量がもっとも重要となるが、実はエンジンオイルの汚れや量も大切だ。
エンジンオイルの劣化や量の不足、冷却水の不足によって起こるトラブルを早期に発見するためには、エンジンが冷えているときの作動音に注目してほしい。
エンジンが焼き付きかけていたり、熱によって異常な膨張を起こしていたことがある場合、冷間時の作動音が大きくなり、「ガチャガチャ」「カンカン」といった金属音がする。
これらの異音は、オイルが劣化していることでも発生するため、もし冷間時の作動音が気になったら、早めの点検やオイル交換がオススメだ。
タイヤは安心・安全に欠かせない最重要パーツ
タイヤは、クルマの“走る・止まる・曲がる”というすべての要素を請け負っており、安心安全なドライブのために欠かすことのできないパーツのひとつだ。
ご存じの方も多いと思うが、タイヤは熱や紫外線によって表面が硬化・劣化し、グリップ力が低下するだけでなく、最悪の場合には走行中に破裂(バースト)する恐れもある。
いつもと同じ道を走っているのに振動やロードノイズが多くなってきたと感じたら、それは明らかにタイヤの寿命が来ているサイン。
9月に入ったとはいえ、まだ路面温度の高い日も多く、高速度路を利用する長距離移動を予定している場合、空気圧チェックはもちろん、早めの交換を心がけたい。
楽しい思い出作りのためにも確実なメンテナンスを心がけよう
紅葉狩りや行楽地へのドライブなど、どんなに楽しい予定を組んでいても、移動中にクルマが故障してしまったら、せっかくの予定がすべて台無しになってしまう。
楽しい思い出を作るためにも、また、安全安心で快適なドライブのためにも、お出かけ前の点検やメンテナンスを確実に実施することをオススメする。
[筆者:増田 真吾]
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