ロサンゼルスオートショー 現地レポート/日下部保雄(2/2)
- 筆者: 日下部 保雄
欧州もディーゼルから一転してハイブリッドへ転換
フィスカーの面白いストーリーはまた別の機会に譲るとして、欧州メーカーはこれまでディーゼル一辺倒だった路線から一転して、ハイブリッド戦略をむき出しにしてきた。
そのなかでも目立ったのは、いわゆる「マイルドハイブリッド」から「フルハイブリッド」への移行。メルセデスとBMWは、SUVにいずれも2モーターのフルハイブリッドを供給し始める。
VWもコンセプトカーではあるが、Up!Lite(アップライト)のようなハイブリッドカーの実現を目標に据えている。VWブースでは「小さすぎるな、こりゃ・・・」というプレスのつぶやきを小耳にはさんだが、これも北米のショーらしくて面白い。
アメリカンマッスルカーのマスタングやダッジ・チャージャーだが、スキンチェンジをしているマスタングは別として、やっぱりチャージャーは時代を感じさせる。
さらに気になったのは、ドでかい5リッタークラスのSUVやトラックに、フルハイブリッドを積んでいる車がうようよ居たこと!確かに燃費はノーマルよりは良いようだが、気筒休止なんかを組み合わせたら、きっと高いプライスタグがつくのだろう。
しかも、超重量級に輪をかけて重くなっているので、どうしたいんだか良くわからないというのが本音だ。フォードは、フュージョンなどのハイブリッドはもはやそれほど新鮮ではないのか展示だけにとどまり、新登場のコンパクトカー、フィエスタのワールドプレミアに集中していた。
マツダは、デミオが北米初登場となった。今後、コンパクトカーが競争するようになれば、アメリカ人のクルマの見方も変わるかもしれない。
GMは、中国製と見られる軽サイズのスモールカーと、打倒カムリ!のGMクルーズを本当はもっとアピールしたかったようだ。
そのカムリめがけて、ヒュンダイは韓国でも登場したばかりのパサートCCに似たソナタを、カムリより安い価格で投入するとして話題を撒いていた。
カスタムカーゾーンは、プレスデーでも未だ呑気にトンテントンテンとブースを作っていたが、一見フォードGTのようなガスタービンEVも展示してあり、もうなんでもありといった感じだ。こんなベンチャーが、日本ではたとえ地方のショーでも出展できるチャンスはないだろう。
日本でのショー出展の問題は、いつもブースの高い値段にあり、それが出展を妨げている理由の一つだと思っている。今後は改善していかないと、日本の立ち位置も見えなくなってしまいそうで怖い。今回は、アメリカの広さを思い知った感じであり、興味は尽きない。
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