グーグルは本気で自動運転やる気あるのか?世界をリードするグーグルが市民に嫌われる3つの理由(1/2)

グーグルは本気で自動運転やる気あるのか?世界をリードするグーグルが市民に嫌われる3つの理由
グーグルのキャンパス内を走る「Gバス」。 マウンテンビュー市内にあるグーグル本部。敷地内は専用の無料自転車で移動。 夕方のラッシュ時、サンフランシスコ市内に向かい、カープールレーンを走る「Gバス」。 グーグル・キャッパス内を走る、ゴルフカートをベースとしたEV。 グーグルの自動運転車の開発本部。 グーグルの完全自動運転カー「Google Car」 画像ギャラリーはこちら

250台の巨大な私設バスシステム

グーグルのキャンパス内を走る「Gバス」。

シリコンバレーの「ど真ん中」。グーグルのキャンパスの奥の方から、次から次へと出て来るグーグルの社員通勤用のバス、通称「Gバス」。

「いったい、何台いるんだ?」。そのパーキングスペースをざっと勘定してみると、少なくとも250台はいるようだ。ここマウンテンビュー市は、サンフランシスコ湾の東側で、北側のサンフランシスコ市と南側のサンノゼ市の中間に位置する。

そして、ここにグーグルの本社、いや正確に表現すれば、昨年8月からは統括会社「アルファベット」社の傘下となったグーグル社の本部がある。フリーウェイ101号線を境に、マウンテンビュー市内は東西に分かれているが、その西側のほとんどすべてが、いわゆる「グーグル・キャンパス」。

巨大な大学のように、各種施設が広大な敷地内に点在しているのだ。初めてここを訪れた人は必ずといって良いほど「このスケール感、民間の企業とは思えない!」と腰をぬかす。グーグルの従業員総数は5万人強と言われ、そのうちの数万人がこの「グーグル・キャンパス」で働いている。

これだけの大所帯は、もはやキャンパスではなく「ひとつの街」である。そのキャンパス内の移動は、赤・青・緑のグーグルのイメージカラーに塗られた自転車や、ゴルフカートを改良した小型EVが使われている。

そして、通勤用には「Gバス」たちがマウンテンビュー市を基点としてサンフランシスコやサンノゼなどの周辺都市との間をピストン輸送しているのだ。

ところが、この「Gバス」は様々な社会問題を引き起こしている。今回は、大きく3つの問題について紹介したい。

問題その1:カープールレーンが混在するので迷惑だ

夕方のラッシュ時、サンフランシスコ市内に向かい、カープールレーンを走る「Gバス」。

アメリカのフリーウェイでは、最も左側の車線が「カープールレーン」になっている場合が多い。ここでいう「カープール」とは、「クルマがまとまって走る」という意味。

日本の関西地域では駐車場のことを「カープール」と呼んでいるが、英語の動詞「プール」は「まとめる」という意味がある。「カープールレーン」は、全米各州にあるが、それぞれの州で利用条件が若干違う。

カリフォルニア州の場合、「乗車二人以上で走行可能」だ。アメリカでは通勤通学に「ひとり一台」で移動する場合が多いため、自治体としては「相乗り」を推奨しているのだ。

この他に「カープールレーン」で走行できる特例がある。ひとつは、EVや燃料電池車などの先進的な自動車、さらに大型バスだ。ここに目を付けたグーグルが「Gバス」を投入。

平日の朝晩に大渋滞するフリーウェイ101号線で、大量の「Gバス」たちが「カープールレーン」を快走している。こうした光景について、渋滞中の「一人乗車」の人たちからは「ウチの会社にも、あんなのがあったらいいなぁ~」と言われる一方で、「カープールレーン」を走行する「二人以上で乗車」の人たちからは「大量のGバスのせいで、このレーンが混むだろ!」と不満が噴出している。

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桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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