高速道路の逆走車や歩行者の立ち入りが減らない理由は?(2/2)

高速道路の逆走車や歩行者の立ち入りが減らない理由は?
高速道路 高速道路の逆走再現 高速道路の逆走再現 高速道路 高速道路 高速道路 福島松川PAに設置されているウェッジハンプ 画像ギャラリーはこちら

頭の隅に「逆走車が来るかも」とは考えていた方がいい

高速道路

編)となると、ドライバーは自衛するしかない?

草)ある部分ね。逆走車が来るかもしれないということを頭に入れて走るしかない。逆走車はたいてい追い越し車線を走ってくる。左側通行だから。我々ドライバー側は、追い越しが終わったら走行車線に戻ることを励行していれば、逆走車と正面衝突するリスクは減らせるはずだ。

編)でも、どっちの車線も混んでいて、追い越しが終わったから戻る、って感じじゃない場合も多いですよ。

草)交通量が非常に多いところでは、逆走車に出会う確率は低いはずだ。あまりに自分に向かってビュンビュン来れば身の危険を感じやすいし、すぐにぶつかってしまって長い距離を逆走できないとも考えられるから。つまり、それほど交通量が多くない状況でこそ逆走車に警戒すべきで、正面衝突は走行車線にいれば防げる可能性が高くなる。

編)なんか怖い時代ですね、逆走車にビクビクしなきゃならないなんて。

草)いや、年間200件程度だから、さすがにビクビクするほどの確率ではない。特殊詐欺の年間1万件以上と比べてもね。やっぱり高速道路の逆走というのは非常にとんでもない行動だからこそニュースになるわけで、「そんなことにビクビクしていられない」と思いつつ、頭の隅に「逆走車が来るかも」とは考えていた方がいいという、非常に難しいレベルだよね……。

逆走車の再現動画(JAF Channel)

※これについてJAFが『逆走車の恐怖』というタイトルで、 再現動画をホームページにアップしています。

逆走したらタイヤをパンクさせる装置の導入も必要

編)歩行者も高速道路に入ってしまいますもんね。自分も高速出口付近でしたが、この間、歩行者とすれ違ってビックリしました。出口に向かって歩いていたので、通報はしませんでしたが。

草)歩行者が高速道路の真ん中を歩いていてはねられた事故もあった。マウンテンバイクが首都高の出口から逆走で進入し、本線に入ったとたん10トントラックと衝突、という去年の事故には背筋が寒くなったね。ドライバーとしてはどうにもならない。

編)マウンテンバイクは老人じゃなかったですよね。

草)なにしろ逆走事案の31%は65歳未満だし、30歳未満の若者も7%いるんだから。ただ、増加の主役は高齢者と見ていい。増加が止まらなければ、最後の手段は、逆走したらタイヤをパンクさせる装置の導入なども必要になるかもしれない。

福島松川PAに設置されているウェッジハンプ

編)それって、どんなものですか?

草)道路を横断する形で埋め込んだ金属部分から斜めに針が突き出ていて、逆走するとそれがタイヤに刺さるという装置がアメリカにはある。主に防犯対策だけど。日本でも「ウェッジハンプ」という、逆走で乗り越えるとドンとショックが来るという防止装置が福島松川PAに設置されているけれど、その程度じゃ効果は疑問だな。

編)将来、完全な自律自動運転車が登場した場合は、こういった逆走車へ対応することは出来るんですかね?

草)自動運転車は減速や停止をするだけじゃないだろうか? 全部が自動運転車になれば逆走事故はなくはずだけどね、自動運転車は逆走はしないはずだから(笑)。

[Text:清水草一]

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

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