スマート スマートK 試乗レポート

全幅とタイヤサイズ変更で、キュートな軽仕様のできあがり。

'98年に生まれた全長わずか2.5mのスマートは、スウォッチで有名なSMHとメルセデス･ベンツの共同開発による「未来のシティカー」。国内では普通車として扱われてきたが、軽自動車規格に合わせてリアフェンダーやトレッド、タイヤサイズを変更した全幅1470mmのスマートKが産声をあげた。

黄色いナンバーを付けたスマートＫは、相変わらずキュートだ。街中をちょっと走るだけで、誰もが振り向き、熱い視線を投げ込む。ひと回り小さい印象のスタイルは、タイヤがかなりか細く感じるが、専用のスチール製ルーフとブラックのグリルが特徴。明るいグレーの色調を用いたインテリアは落ち着いた雰囲気を醸し出している。2人乗りの室内はベースのクーペと同じで、コミューターとしての居住性とラゲッジを確保。助手席の背もたれを倒せば長尺物も積み込める。

598ccの排気量で40kwを発揮する、3気筒SOHCインタークーラー付ターボエンジンの加速感は元気の良さが身上だ。ところがシフトアップ時にググッと失速する。6速マニュアルモードの方が失速感は薄いが、やはり車速が気持ちよく伸びていかないのは残念だ。サイズダウンを図った前後のタイヤは、自然な操舵フィールに貢献して、RRらしい後から押される挙動を解消した。自慢は最小回転半径4.1mが生む小回り性。ただ前方の見切りは意外に悪く、斜め後方の死角も多い。超短いリアのオーバーハングの後退には慣れが必要かもしれない。