日産の新型セダン「セントラ」が日本導入? 予想価格はいくら? e-POWER搭載で2027年秋に登場か

画像ギャラリーはこちら

国内販売で苦戦が続く日産が、復活の切り札として海外向けモデルの国内導入を本格化させています。その有力候補として注目されているのが、先日北米で発表されたばかりの新型セダン「セントラ」です。

この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが注目の日本仕様の価格や発売時期、性能について、北米仕様の情報をもとに予想します。

目次[開く][閉じる]
  1. 復活なるか? 日産が国内投入を検討する新型セダン「セントラ」とは
  2. 日産 新型セントラの国内導入時期
  3. 日産 新型セントラの予想価格
  4. 日産 新型セントラのボディサイズ、外観
  5. 日産 新型セントラの内装、居住性、荷室
  6. 日本仕様のパワーユニットは「e-POWER」専用?
  7. 一般道にも対応? 次世代「プロパイロット」搭載に期待
  8. まとめ:新型セントラは日産復活の狼煙となるか

復活なるか? 日産が国内投入を検討する新型セダン「セントラ」とは

近年、国内の新型車投入が滞り、2025年1~8月の国内販売台数は前年同時期に比べて13%減少、メーカー別の販売ランキングでは5位と苦戦が続く日産。2010年ごろはトヨタに次ぐ2位でしたが、今は厳しい状況にあります。

この状況を打破すべく、日産は商品ラインナップの強化を進めています。その戦略の柱の一つが、海外で成功を収めているモデルの国内導入です。

すでに大型SUVである「パトロール」の国内導入が示唆されていますが、それに続く有力候補として注目されているのが、今回ご紹介する新型セダン「セントラ」です。

海外で評価されるセントラの歴史と立ち位置

セントラは、主に北米市場で販売されるセダンです。

1980年代には日本で販売されていた「サニー」と基本設計を共通としていましたが、その後は独自の進化を遂げました。

特に2006年に登場した6代目は、全長4567mmと比較的コンパクトなボディサイズの割に広い室内空間と優れた走行安定性を両立させ、高く評価されたモデルです。2025年9月24日(水)に北米向けとして発表された新型セントラは、その最新モデルにあたります。

日産 新型セントラの国内導入時期

もし国内導入が実現すれば、その発売時期は2027年の9月ごろになると予想されます。

もちろんこれは現時点での予測であり、日産の開発状況や市場の動向によって前後する可能性は十分にあります。

日産 新型セントラの予想価格

さて、最も気になる新型セントラの価格はどの程度になるのでしょうか。

北米で販売されている現行セントラの価格を単純に日本円へ換算すると約370万円ですが、新型モデルとして刷新されることや日本仕様が「e-POWER(イーパワー)」専用車となる可能性が高いことを考慮しなければなりません。

そうなると、直接的なライバルはセダンではありませんが、価格帯や車格が近いホンダ シビックのハイブリッドモデル「e:HEV(イーエイチイーブイ)」の上級グレードが装備面でも有力な比較対象となり、価格予想をする上で参考になります。

「e:HEV」は、エンジン走行とモーター走行を効率的に切り替えるハイブリッドシステムで、優れた走行性能と燃費を両立した人気のハッチバックです。

グレード別の詳細な価格を大予想

シビック「e:HEV」の上級グレードの価格が約440万円であることを踏まえると、新型セントラのエントリーグレードも同程度の440万円前後になると予想されます。

セントラのグレード別予想価格

  • ベーシックグレード(1.4L e-POWER): 440万円前後
  • 上級グレード(1.5Lターボ e-POWER): 470万円前後
  • 最上級グレード(次世代プロパイロット搭載): 500万円を超える可能性も
  • ※記載しているパワーユニットや装備は価格を予想する上でのイメージです。

    現状、日産の国内ラインナップにおけるセダンは「スカイライン」のみですが、価格帯は456万9400円からと高価で、販売は伸び悩んでいます。

    新型セントラがこの価格帯で登場すれば、日産セダンの新たな選択肢として大いに期待できます。

    日産 新型セントラのボディサイズ、外観

    新型セントラのボディサイズは、全長4660mm、全幅1815mm、全高1450mm(北米仕様)と、日本ではミドルサイズセダンに分類されます。

    国内導入の際は、多くの機械式駐車場に対応できるよう、全幅を1800mm以下に抑えてくる可能性も考えられます。

    外観のデザインは、近年の日産車に共通する新しい流れを汲んでいます。フロントマスクには進化した「Vモーショングリル」が採用され、シャープで存在感のある顔つきです。

    サイドビューは、後方に向かってウィンドウの下端が跳ね上がる躍動的なデザインで、ボディにボリューム感を与えています。

    後部はトランクフードを短く見せることで、5ドアハッチバックのような軽快な印象も受けますが、しっかりと独立したトランクを持つセダンです。

    日産 新型セントラの内装、居住性、荷室

    新型セントラの内装も上質で洗練されています。

    インパネ(インストルメントパネルの略)の中央には、12.3インチの大型デュアル液晶ディスプレイが配置され、先進的な印象を与えます。Apple CarPlayやAndroid Autoといったスマートフォン連携機能にも対応し、オプションで「BOSEプレミアムオーディオ」も選択可能になるでしょう。

    シート生地には手触りの良い合成皮革が使われ、各所にステッチ(装飾縫製)が施されるなど、内装の仕立ては非常に上質です。ドライバーがリラックスして運転に集中できる空間作りがされています。

    ただし、好みが分かれるかもしれないのが、2本スポークのステアリングホイールです。3本スポークに見慣れていると最初は違和感があるかもしれませんが、本革巻きで質感は高く、すぐに慣れることができるでしょう。

    クラストップレベルの後席空間を実現

    新型セントラで機能的に最も注目すべきは、その居住性の高さです。ホイールベース(前輪と後輪の中心間の距離)はセダンの中では2700mmと比較的長く、これが広々とした室内空間を実現しています。

    日産は空間効率を重視した設計を得意としており、この新型セントラでも、身長170cmの大人4名が乗車した場合、後席乗員の膝先には握りこぶし3つ分以上の余裕が確保されると予想されます。

    セダンならではの静粛性と実用的なトランク

    新型セントラでは広い室内空間に加えて、セダンボディならではのメリットも享受できます。ミニバンやSUVと異なり、後席とトランクスペースの間に隔壁があるためボディ剛性を高めやすく、走行安定性と乗り心地の両面で有利です。

    また、走行中に後輪から発生するロードノイズが室内に侵入しにくい構造のため、静粛性も高くなります。これにより、「BOSEプレミアムオーディオ」のクリアなサウンドを一層楽しむことができるでしょう。

    トランクスペースの容量も十分に確保されているとみられ、4名での長距離旅行にも対応すると予想されます。

    日本仕様のパワーユニットは「e-POWER」専用?

    北米仕様の新型セントラには、直列4気筒2.0Lのガソリンエンジンが搭載されます。しかし、国内に導入されるとなれば、日産の電動化技術の象徴である「e-POWER」が採用されるでしょう。

    「e-POWER」は、エンジンを発電にのみ使用し、100%モーターで走行するシリーズハイブリッド方式で、電気自動車のような滑らかな加速と静粛性が最大の魅力です。

    搭載される「e-POWER」は、動力性能と価格のバランスを考えると、ミニバンの「セレナ」に搭載されている直列3気筒1.4Lエンジンをベースにしたタイプが主力になると考えられます。

    このパワーユニットの動力性能は、ガソリンエンジンに換算すると3.0Lクラスに相当する力強さを発揮します。

    上級グレードには新開発1.5Lターボ版が搭載される可能性も

    さらに上級グレードには、次期「エルグランド」への搭載が噂される、新開発の直列3気筒1.5Lターボエンジンを発電に用いる、より強力な「e-POWER」が採用される可能性もあります。

    ちなみに、SUVの「エクストレイル」には、圧縮比を変化させる機能を備えた1.5Lターボエンジンで発電するタイプの「e-POWER」が搭載されています。しかし、このパワーユニットはメカニズムが複雑でコストが高いという課題がありました。

    日産が今後、発電効率に優れた新しい「e-POWER」を導入すれば、この圧縮比の可変機能がついたエンジンは採用が広まらないかもしれません。

    一般道にも対応? 次世代「プロパイロット」搭載に期待

    新型セントラが日本に導入されるとなれば、先進運転支援機能にも注目です。次期「エルグランド」への搭載が噂される次世代の「プロパイロット」が、新型セントラの上級グレードにも採用される可能性があります。

    現在の「プロパイロット」は、主に高速道路などの自動車専用道路で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作をアシストする機能です。

    これはドライバーの疲労軽減や安全運転のサポートに大きく貢献しますが、次世代版ではAI技術などを活用し、歩行者や自転車がいる一般道での対応範囲が大きく広がると言われています。

    実現すれば、日産の技術力を示す大きなセールスポイントになるでしょう。

    まとめ:新型セントラは日産復活の狼煙となるか

    新型セントラのようなセダンは、人気のミニバンやSUVに比べて重心が低く、ボディ剛性も高めやすいため、乗り心地と走行安定性の両面で優れています。

    国内市場への導入が実現すれば、この新型セントラは、セダンならではの走りの良さや快適性を改めてユーザーに実感させる、魅力的な商品になるでしょう。

    それは単に日産の販売台数を回復させるだけでなく、国内市場における「セダンの復権」を担う、重要な一台になる可能性を秘めています。

    【筆者:渡辺 陽一郎 画像提供:日産自動車】

    この記事の画像ギャラリーはこちら

      すべての画像を見る >

    愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

    • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

      これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

    • 一括査定は本当に高く売れるの?

      これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

    検索ワード

    渡辺 陽一郎
    筆者渡辺 陽一郎

    1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

    MOTA編集部
    監修者MOTA編集部

    MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

    MOTA編集方針

    人気記事ランキング
    最新 週間 月間

    新着記事

    新着 ニュース 新型車 比較 How To
    話題の業界トピックス・注目コンテンツ

    おすすめの関連記事

    日産の最新自動車ニュース/記事

    日産のカタログ情報 日産の中古車検索 日産の記事一覧 日産のニュース一覧

    コメントを受け付けました

    コメントしたことをツイートする

    しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
    もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
    該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
    通報よりその旨をお伝えください。

    閉じる