好バランスのスポーティタイヤ「横浜ゴム ADVAN FLEVA V701」試乗レポート(3/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:和田清志・横浜ゴム
動きが素直でわかりやすい
続いて外周路で、FLEVAを装着した「トヨタ 86」、「メルセデス・ベンツ A180」、「プジョー 308GTi」をドライブ。
ドイツ郊外のようなイメージの道で3台に乗って、あらためて走りのよさを実感した。
共通して感じられたのは、まず跳ねや振動が小さいこと。スポーティタイヤながら路面への当たりがマイルドで、入力を緩和しつつ瞬時に収束させている感覚がある。
また、中立からの動き出しに適度にタメがあり、動きが素直でわかりやすい。おかげで狙ったラインをトレースしやすいし、常に先が読める感じだ。
中でも、もっともクルマ自体の剛性感が高く、俊敏なハンドリングを持つA180とのマッチングがよかったように思えた。
その他、86では走りの質感が全体的に上がったように感じたし、「猫足」といわれるプジョーのホットモデルである308GTiも、引き締まった中にも優しさを感じさせ、相性は悪くなかった。
エコタイヤと比較すれば、その差はより明確に
さらに、同じコースをスポーツ系エコタイヤのS.driveとFLEVAを履いた「VW ゴルフ」で乗り比べると、その差は明らか。
S.driveでも大きな不満はないものの、FLEVAと比べると、走り味は軽快ながら、やや軽薄な印象もあって、曲がり方も不感帯のあとグイッとゲインが立ち上がる感じがする。
それに対しFLEVAは、走りに一体感があるし、全体的に接地感も高い。おかげで運転していて楽しいだけでなく、より安心感もあるのだ。
そしてもうひとつ違いを感じたのが静粛性である。今回、あえて少しタイヤが摩耗した状態で乗ることができたのだが、S.driveは摩耗したスポーティタイヤにありがちな、いわゆる「サー」音が出ている。
トレッドを見比べてみると、その理由がわかる。S.driveでは貫通しているラグ溝が、FLEVAは途中で止まっているところが多い。そうした部分も進化しているわけだ。
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