ルノー メガーヌ R.S. CUP 試乗|超絶コーナリングマシンをマニュアルで楽しむ(1/2)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:柳田 由人
切れ味鋭いコーナリングを実現するCUPシャシー
ルノーの走りはいつの時代も個性豊かだ。過去のモデルたちもステアリングを操作すると、しなやかな接地感とともに身を捩るようにしながらシャープに曲がる独特なコーナリング特性と高い直進安定性も持っていた。ドイツ製とは”ふた味”違うFWDハンドリングカーの個性を世に示し続けている。
メガーヌ R.S.にサーキットでのパフォーマンスを高めるためのパーツで武装したファン待望の「メガーヌ R.S. CUP」が誕生した。しかもCUPのみの6速MTを搭載して、わずか100台の日本限定モデルとしての上陸だ。
標準R.S.よりも高められた旋回性能
ルノースポールを意味するR.S.にさらにシャシー、サスペンションを中心に強化したモデルがCUPである。
具体的に言うと「標準RS」に対してリアはバネレートのみを35%高め、フロントはアンチロールバーを7%、バネレートを23%、ダンパーレートを25%すべて強化してロール量そのものを抑えている。
ダンパーはHCC(ハイドロリック・コンプレッション・コントロール)が高い減衰力設定にも関わらず、ダンパーのなかにもうひとつのダンパーが入り、バンプストップの代わりにストロークを確保しながら縮み側も伸び側にもさらに減衰が効き、ルノー流のネコ脚特性に新たな乗り味を生む。
さらに、後輪に舵角を与える4コントロールは、リアのステア操作をサーキットでも対応するよう速度域を見直した。前輪の舵角に対して後輪も同じ方向に舵角を与えて高速安定性を高める同操は1度まで。タイトコーナーの旋回性を高める逆操は2.7度まで後輪をステアするが、その切り替えは通常は60km/h、スポーツモードで80km/hの標準のメガーヌR.S.に対して、CUPは通常の60km/hこそ変わらないが「レースモード」を選択すると100km/hと、より高い速度まで逆操を維持して旋回性能を高くする。
ジェイテクト製トルセンLSDによる駆動制御
そして決定打といえる違いはトルセンLSD(タイプB改)の採用だ。
標準のメガーヌR.S.はコーナーからの加速で内輪が空転した場合、そのホイールをブレーキ制御するブレーキベクタリング機構が付く。
対してCUPは伝達効率の高いヘリカルギアを使い、より機械的に積極的に前輪左右の回転差を抑えて、強引に舵角の方向に駆動力をガンガンに伝えるというトルセンLSDの特性がCUPの個性を強調する。バイアス比(ロック率)は加速時に40%、減速時は25%と左右の回転差を出すフリーに近い状況にして旋回初期応答を高める、言わばワンウェイLSD効果である。
これはもう走りそのものを変え、ステアフィールをさらにダイレクトにすると共に、後輪操舵と相まって切れ味鋭いレーシングマシン的特性を提供する。
素材そのものが身体にフィットするアルカンターラとホールド性に優れたバケットシートに座り、シート位置はペダルを踏み込んだ際に、膝が軽く曲がる角度で前後スライド位置を固定する。ステアリングはチルトとテレスコピック機能によりほぼベストなドラポジが叶う。
個人的にMT派ではあるが、今や、どんなに腕達者がMT操作しても、変速速度の速さとミスのない正確さでDCT (AT)には叶わない。叶わないがクラッチペダルを操作する作業は人間が操るものであり、思い通りに操作できればやはり楽しい。久しぶりのヒール&トウによる回転合わせも、ジャストミートできるか否か、クルマを操るうえで安楽な事がすべてではない、と改めて思う。
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