ルノー 新型メガーヌGT 試乗|昔ながらの良さと、今のフランスを想わせる先進性が絶妙に融合(1/2)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:茂呂幸正
4代目メガーヌの秘密兵器は“4輪操舵”
日本におけるルノーの売れ筋と言えばカングーとルノースポール。最近はリアエンジンのトゥインゴも伸びているようだが、ルノー・ジャポンとしては、ヨーロッパでの売れ筋であるCセグメントを伸ばしたいらしい。
そのために導入された4代目の新型メガーヌには、秘密兵器が仕込まれてきた。ルノーでは4コントロールと呼ぶ4WS、つまり“4輪操舵”だ。
自分の記憶が正しければ、量産乗用車で世界初の4WS搭載車は7代目の日産 スカイラインで、その後ホンダ プレリュード、マツダ カペラなども採用。一時は日本車の専売特許のような感じだった。しかしバブル崩壊とともに多くが消え、現在はレクサスやBMWなどのプレミアムブランド御用達となっている。
その4コントロールが300万円台という手を伸ばせば届くゾーンに用意されたのだから画期的。しかも日本仕様のメガーヌは、ルノー スポール(R.S.)が手がけたこの4コントロールを積むGTをメインとした。ハッチバックにはエントリーグレードのGTラインもあるが、ワゴンのスポーツツアラーはGTだけと思い切っている。
ちなみにエンジンは、GTラインがルーテシアやキャプチャーにも積まれる1.2リッター直列4気筒ターボなのに対し、GTはルーテシア R.S.と基本的に同じ1.6リッターターボとなる。トランスミッションは全車、ルノーではEDCと呼ぶ7速デュアルクラッチタイプだ。
国際化がすすむ中、やっぱり独創性が隠しきれないフレンチハッチの内外装
ライバルとはひと味違う個性が光る外観デザイン
新型メガーヌのボディサイズは、ハッチバックが全長4395mm、全幅1815mm、全高1435mmで、スポーツツアラーは全幅1815mmは同じだが、長さが4635mm、高さが1450mmになる。
Cセグメントのヨーロッパ車では背が低いことが目立つし、旧型と比べるとシャープになったことにも気づく。
それ以上に目を引くのはフロントマスクとリアエンドだ。ヘッドランプにLEDを用いるのは最近のトレンドではあるけれど、フロントのCシェイプもエンブレムへ向けて伸びるリアもかなり独創的。ということはフランスっぽい。
サイドに回ると今度は前後フェンダーの存在感が印象に残る。特にハッチバックのリアの張り出しは、内に秘めた何かを物語るかのようだ。
電脳化が進むインテリア、そして昔も今も変わらぬ快適なシート設計と効率重視の室内空間
でもそれ以上に驚かされたのは「電脳化」。メガーヌのアイデンティティになったカード型のキーを持って車両に近づくだけでドアロックが解除されてサイドミラーが開き、ドアを開けると「ドクンドクン」と脈を打つ響きでドライバーの気持ちを高める。センターコンソールやドアトリムに走るアンビエントライトの帯は、メーターともども5色から自由に選べる。
ルノーを含めたフランス車は、これまでエンジニアリングについてはコンサバティブだったので、こうした演出は違和感を抱くかもしれない。でもパリで流行りのカフェバーに足を運べば、あちこちで似たような演出に出会う。今のフランス文化を反映した仕掛けなのである。
新型メガーヌはルノースポールがプロデュースしただけあって、シートは前後とも固め。でも1時間ぐらいドライブし続けても、いい意味で乗った実感がない。疲れ知らずというルノーの伝統は生きている。
後席は身長170cmの僕が座ると、ハッチバックではひざの前に10cm、ワゴンでは15cmほどの余裕が残る。なぜ違うかというと、スポーツツアラーのホイールベースはハッチバックより40mm長いから。
メガーヌのワゴンは昔から、ホイールベースをハッチバックより長く取っている。同様の設計を取っているのは同じフランス車のプジョー 308だけだ。バカンスの国ということもあって、ハッチバックとは使用目的がはっきり違うことを表しているようである。
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