フランクフルト・モーターショーに見る電気駆動の未来(2/2)
- 筆者: 清水 和夫
VWグループのEVの中核を担うはずの本家アウディは?
それでは「e-tron」で、フォルクスワーゲングループのEVの中核を担うはずの本家アウディは何を出してきたのだろう?
それがズバリ、「e-tronクワトロ・コンセプト」である。
Q5とQ7の中間を埋めるサイズのSUVであり、800Nmと巨大なトルクを誇る。フロント1モーター、リア2モーターという3モーター4WDのEVで、ポルシェ同様に床下にバッテリーを搭載する低重心コンセプト。目指すところはやはりポルシェと多く重なっている。
自慢はなんといっても95kWhの大容量リチウムイオンバッテリーで、500kmの航続距離を達成するという。この「e-tronクワトロ・コンセプト」は2018年の市販化を目指している。
フルモデルチェンジしたアウディ「A4」には期待されたハイブリッドモデルはラインナップされなかった。しかし、コンベンショナルな内燃機関も進化していたので注目したい。
これまで掲げていたダウンサイジングという旗印を、新たに「ライトサイジング(right sizing)」というコンセプトに切り替えた。
新型A4に搭載されるガソリンエンジンの2.0TFSIウルトラは140kW(190ps)の出力を発揮しながら燃費はわずか4.8リッター/100kmだという。実はアウディにはさらにディーゼルエンジンの2.0TDIウルトラがあり、この超低燃費エンジンはわずか3.7リッター/100km、CO2換算で95g/kmとなる。
しかし、フォルクスワーゲン同様にディーゼルの不正問題に揺れており、日本への導入は不透明だ。
今年のフランクフルトショーで最大の注目株は?
最後に、今年のフランクフルトショーで最大の注目株といえば、やはりベントレー「ベンテイガ」だろう。
2012年に発表されたコンセプトSUV、「EXP9F」と較べると、やや小ぶりになった感は否めないが、それでも5mを越える全長はショーにおける存在感で群を抜いていた。
新開発の6リッターW12ツインターボは900Nmの大トルクもさることながら、大幅な軽量化が施されている。
さらに注目は48Vシステムが搭載されていることだ。これは主にベントレー・ダイナミック・ライドと呼ばれるアクティブロールコントロール機能に使用されていると謳われているが、この高電圧化は今後「ベンテイガ」が市場に流通するに従って追加されるプラグインハイブリッドへの布石であろう。
もちろんディーゼルもラインナップするというアナウンスも聞こえている。約3000万円のプライスタグながら、3000台ほど生産される予定の初期モデルはすでに完売だという。
今後は最高級ハイブリッドSUVとしての新境地を切り開くことが期待される。
[Text:清水和夫]
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