日産 新型 ティアナ[2014年2月デビュー・3代目] 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志・日産自動車
V6から直4エンジンへと変更されたが、力不足なシーンは見当たらない
新型 日産 ティアナの動力性能は、パワフルとはいえないが、力不足を感じる心配もない。エルグランドなどにも搭載されるQR25DE型エンジンはもともと実用回転域の駆動力が高く、1470kgの車両重量とのバランスも良い。相応の動力性能があるため、CVTの変速も自然な印象だ。アクセルを踏み増した時に、速度に先行してエンジン回転が高まるCVTの特性も気にならない。
QR25DE型の欠点は、エンジンノイズが高まりやすいことだが、ティアナでは大幅に改善されていた。開発者によれば、従来型のQR25DE型に比べると部品の約90%が新たに開発され、静粛性から燃費性能まで大幅に見直したという。
最高出力は173馬力(6000回転)、最大トルクは23.9kgf-m(4000回転)。エルグランドのQR25DE型は最大トルクが25kgf-m(3900回転)だから、ティアナは性能を少し下げている。その代わりにエンジンノイズの音量と質は洗練された。登坂路ではV型6気筒との違いを感じるが、気になるほどではない。
先代モデルの美点を受け継ぐ高い走行安定性
ティアナの走行安定性は、前輪駆動のLサイズセダンでは優れた部類に入る。プラットフォームは先代型と共通だが、もともとティアナは素性の良い動きを見せていた。新型ではボディ剛性も高まり、走行安定性がさらに向上している。
エンジンが直列4気筒になったことも、走行安定性ではメリットをもたらした。先代型の車両重量は、V6 2.5リッターの「250XL」が1510kg。新型はボディの前側を中心に40kgほど軽くなったから、操舵に対する反応も正確になっている。
乗り心地は、試乗したXVが17インチタイヤを装着していたこともあり、Lサイズセダンとしては若干の硬さを感じた。それでも突き上げ感はなく、ゆったりと運転できる。
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