注目される自動運転技術、実現に向けた課題とは(2/2)

注目される自動運転技術、実現に向けた課題とは
アウディRS7 自動運転コンセプトカー 日産 国内でナンバーを取得した自動運転テスト車両 トヨタ 自動運転テスト車両 トヨタ 自動運転テスト車両 高速道路での自動運転ケース 画像ギャラリーはこちら

キーワードは「自律自動運転」

自動車ユーザーの自動運転に対する期待値は千差万別だが、同じように世界中のエンジニアたちも個々の想いのなかで自動運転の技術を創り上げている。

しかし、各国各地で多角的な研究が進むにつれ、そうした期待値や技術は徐々にひとつの方向性を見出すようになる。

その方向性とは「自らを律して自動的に運転操作を行なう」、つまり「自律自動運転/Autonomous Driving」という考え方だ。ドライバーが状況を判断して次の行動を決めていくように、自律自動運転のシステムも、センサーからの情報を解析し次の行動を選択していく。

これは、単にプログラムに則って操作の一部を自動化する従来の「自動化」という概念を超えた、状況に応じた臨機応変な判断をシステムに委ねるという一歩踏み込んだ発想だ。

世界各国ではじまる標準化に向けた取り組み

アウディRS7 自動運転コンセプトカー

現在、自律自動運転の実現に向け世界中で検討が行われている。北米ではSAE(アメリカ自動車技術会)/NHTSA(アメリカ運輸省道路交通安全局)、欧州では欧州SMART64プロジェクト、ドイツではBASt(ドイツ連邦道路交通研究所)、世界規模ではOICA(国際自動車工業連合会)といった組織があり、それぞれが自律自動運転の定義となる枠組みを4~8段階に分類すると公表している。

日本では、内閣府によるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)のひとつとして「自動走行システム」が掲げられ、関連4省庁とされる警察庁/総務省/経済産業省/国土交通省が連携をとりながら、2020年代後半を目処に「ドライバーが全く関与しない状態での自律自動運転(≒現時点で考えられる最高水準の自律自動運転)」の実現を目指す。

こうした各国での取り組みは、言い換えれば自律自動運転の枠組みや範疇を定義するものだ。各々議論が深まったとしても、世界中で寸分違わぬ枠組みひとつで運用されることはないだろうが、NCAPがそうであるように、ハーモナイズされた案が各地域で採択されることは間違いない。

これこそ現実的な自律自動運転実現に向けた第一歩であり、前述した「世界的な統一見解」を生み出す原動力になる。

直近での課題は、めまぐるしく変化する交通環境にリアルタイムで適合する「プログラム自動生成技術」の開発だ。北米、欧州、そして日本の自動車メーカーはどんな取り組みを行なっているのだろうか。

次回からは、各社毎の取り組みをみていこうと思う。

[Text:西村直人]

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西村 直人
筆者西村 直人

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、MotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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