日産 ノート デザイナーインタビュー/プロダクトチーフデザイナー 前田 敦(1/4)
- 筆者: 森口 将之
- カメラマン:オートックワン編集部
単にカッコいいだけじゃダメ
オートックワン(以下AO):前田さんはNDE(日産デザインヨーロッパ)に5年在籍し、キャシュカイ(デュアリス)やジュークに関わるなど、ヨーロッパの経験も長いようですが、ヨーロッパ人のクルマに対する考え方はどうなんでしょうか。
前田(以下M):欧州はとてもコンペティティブな市場です。いろんなハッチバックがあって、評価も厳しい。日本人よりも距離を長く乗るし、老若男女関わらず話題にしています。クルマに対する温度が高いと言えるでしょう。だから単にカッコいいだけじゃダメで、プロポーションやスタンスがしっかりしているかが重要です。しかも60〜70歳の年配の方が運動性能について語ったりしますから、走りも手抜きできません。
AO:そういうヨーロッパ人のクルマへの想いを、どういう風に新型ノートに落とし込んでいったのでしょうか。
M:日本を含めて、どのマーケットでも大事なのは、プロポーションだと思いました。LEDが付いているかどうかが問題ではないのです。ですからスタンスの良さとか、シルエットの美しさとかを起点にしなければいけないと考えました。プロポーションはボディ構造にも関係するので、設計の人たちの協力も必要です。その点にも情熱を注ぎました。
AO:旧型のデザインの評判はどうだったのでしょうか。
M:コンパクトで使い勝手が良く、価格はリーズナブルということで、ファミリーカーのエントリーモデルとして評価されていたようです。反面、エモーショナルな部分が少し控えめでした。ヨーロッパの人たちが考えるハッチバックには、そういう要素も含まれているので、実用車としては認識されていても、ハッチバックとしては認識されていなかったようです。
AO:新型を見て最初に感じたのは、ウインドスクリーンがかなり寝ていることだったのですが。
M:旧型と同じ角度からスタートしたんですが、デザイン側の要望で寝かせました。この作業は正直言って苦労しましたね。デザイナーとしては、ここまで寝かせないと世界のトレンドをキャッチアップできないと言って、Aピラーの付け根を100㎜前出しすることを提案したんですが、『費用が何億円も掛かるのにどんな効果があるのか』と返されてしまいまして。そこでモデルにして見せて、『明らかに違う』と実感してもらう作業を繰り返しながら進めていきました。
AO:ルーフラインは後半でキックアップしているのですね。このクラスとしてはかなり思い切った造形ではないでしょうか。
M:ルーフラインは室内の広さとのトレードオフになる場所です。エモーショナルなラインとすれば、カッコいいし、空力も良くなるけれど、後席のヘッドルームが減ってしまいます。だからヒップポイントなどとのバランスを調整しながら進めていきました。高くても抑揚があるほうがエモーショナルに見えるとか、後端だけを立てると実用車っぽく見えるとか。車体剛性にも関係してくるので、両脇にビードを入れて補強しました。 結果的には視界も良くなって、ハッピーエンドでしたね。
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