日産 マーチ 試乗レポート/藤島知子(1/2)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:島村栄二/柳田由人
グローバルモデルとして登場した4代目「エコマーチ」
3代目マーチは、老若男女を問わず愛され続けてきたモデルだったが、ボディ色にニュアンスカラーを取り入れた限定車などを次々と登場させてきたことで、「あれもステキ、これもいい!」といった具合に、8年間ものあいだ鮮度を保ち続けてきた。
大ヒットしたクルマがフルモデルチェンジを迎えると、先代を超える進化が求められてしまうものだ。今回の課題となったのは、中国やインド市場を含めたグローバル市場を攻略するクルマ作り。
これまでにも、さまざまな国産メーカーがデザインやハンドリング、内外装のクオリティにコダワリが感じられるもので、欧州コンパクトカー勢を相手に真っ向勝負を挑んできた。
その点、今度の新型マーチは細かなディテールや走りの質を意識するというよりも、派手さはないが、燃費については一等賞狙い。贅沢装備はないが、シンプルな造りをモットーとしているあたりをみても、実質的なターゲットは、中国やタイ、インドといった新興国を意識している印象を受ける。
事実、マーチは物資をタイで調達、タイの工場で生産されてから日本に輸入されるというニュースが話題となった。日本メーカーの主力モデルが海外生産に委ねられるというニュースは、日本の自動車業界を震撼させた。
すでに家電の世界では、そうしたスタイルが一般的になっているが、クルマ離れが進む日本でクルマがシロモノ家電化する一方で、自動車販売に『伸びしろ』をもつ新興国のニーズが優先されていくことが予測されるだけに、日本市場が置き去りにされてしまう日が、とうとう来てしまったのではないか?という衝撃さえ受けた。
業界内でも賛否両論が飛び交っている出来事だが、マーチらしい親しみやすい『身の丈』がどのようなさじ加減で表現されているのか、気になるところだ。
愛らしかった3代目からお兄さん顔へと成長した新型マーチ
キョロリとした顔つきが愛らしかった3代目から、お兄さん顔へと成長した4代目マーチ。ワイドに見えるスタンス、彫りが深い顔立ちは、全体としてちょっぴりたくましく変化した。よく見ればサイドのドアの形状や丸みを帯びたヘッドライトは、3代目のモチーフが踏襲されているようだ。
キャビンについては、アイボリーやナチュラルグレーの内装色の場合、グローブボックスのリッドに明るい差し色を加えてバブル形状が強調され、優しく守られたバブル形状のキャビンが、居心地のよさを与えてくれる。
ラゲッジはこれまで同様にベーシックな作りといえるが、ルーフは後端が伸ばされたことで、後席の頭上にゆとりが生まれた。グローブボックスは上下2つのボックスに加えて、中段のポケットを含めた3層構造、5個のジュースホルダーを備えたレイアウトで使いやすそうだ。
ドーナツ型のエアコンの操作盤やグリップが掴みやすいインナードアハンドルは、機能性とデザイン性を両立していて、使うたびに心地よさが感じられる。
キーレスエントリーはスイッチひとつで施錠・解錠するさい、ドアミラーが自動で格納されるようになっている。また、カバンからキーを取り出さなくても、プッシュスタートでエンジンが掛けられるなど、煩わしいステップを踏まずに扱える点にも好感が持てる。
シートは後席側から裏側のステッチの仕上がりをよく見ると、安っぽさが目に留まり、まだ改善の余地があると感じられたが、Cの文字を組み合わせた模様は清潔感があり、世代を問わずオシャレに乗りこなせそうだ。ただし、座り心地については、このクラスのわりに、しっかりしたものに感じられた。
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