トヨタ 燃料電池バス SORAを改良|最新機能の追加でドライバーにも乗客にも優しい仕様に

トヨタが燃料電池バス SORAの性能を向上させたモデルを発売

トヨタは、ITS機能の活用により、燃料電池バス(以下、FCバス)「SORA」の安全性、輸送力ならびに速達・定時性を向上させたモデルを2019年8月から発売する。

>>バスがレーダーを出し合って定時運行を支援!? イメージ図を画像で見る(11枚)

路線バスとして活用されるSORAは、稼働率も高く常に高い安全性が求められることから、今回新たに交差点の右折時に、ドライバーへの注意喚起を促す機能や、ドライバーに急病などの異常が発生した際に乗客が非常停止させられるシステムなどを搭載した。

また公共交通手段として重要である輸送力の向上と速達・定時性の両立を目指し、バスが連続して走行する際に車両間の情報を相互に共有し、信号やバス停での分断を防ぐ機能を搭載している。

今回の改良で追加した機能は、以下の通りだ。

安全性

■ITS Connect 路車間通信システム(DSSS : Driving Safety Support Systems)

路側装置と車両の通信により取得した、対向車・歩行者情報、信号情報などを活用し、ドライバーに注意喚起を促す。

■右折時注意喚起

交差点での右折時に、対向直進車や右折先の歩行者を見落としている可能性がある場合に、注意喚起。

■赤信号注意喚起

赤信号の交差点に近づいてもアクセルペダルを踏み続け、赤信号を見落としている可能性がある場合に、注意喚起。

■赤信号減速支援

前方の交差点にて、赤信号で停止することが予測される場合、早めの減速を推奨。

■信号待ち発進準備案内

発進の遅れを回避できるよう、赤信号の待ち時間目安を表示。

ドライバー異常時対応システム(EDSS)

ドライバーに急病などの異常が発生した際、ドライバー本人あるいは乗客が非常ブレーキスイッチを押すことで減速して停止する。

また立ち乗り・着席中、双方の乗客の安全性に配慮し、路線バスに適した制御となっている。

さらに減速開始と同時に車内の乗客には赤色フラッシャーランプと音声アナウンスで非常時であることを伝達し、車外や周囲には、ホーンとストップランプ、ハザードランプの点滅で異常を知らせる。

衝突警報

車両前方に搭載されたミリ波レーダーが、進路上の先行車や障害物との衝突の危険性を検出した場合、ドライバーに警報ブザー及びモニター画面で警告する。

路線バスでは、立ち乗りの乗客やシートベルトを締めていない方の安全性を踏まえ、ドライバーの運転操作による衝突回避を支援する。

輸送力

ITS Connect 車群情報提供サービス

車群を構成する車両、順序、車群長等の情報から、信号やバス停での車群の分断を防いで輸送力の向上と速達・定時性の両立を支援する。

車群認識機能

車車間通信とミリ波レーダーにより、区間ごとの最大車群台数の範囲内で車群を構成する車両、順序、車群長などの情報を認識し、ドライバーに車群の台数を通知する。

バス停発車可能情報

車群を構成する車両間で、乗客の乗降状況を把握。バス停からの同時発車を支援する。

ITS Connect 通信利用型レーダークルーズコントロール

円滑な加減速を支援する全車速レーダークルーズコントロールを搭載。

また先行車が通信利用型レーダークルーズコントロール対応車であれば、車車間通信により取得した先行車の加減速情報に素早く反応し、スムーズな追従を可能する。バス専用道での車群走行時の車間距離の保持、後続車の速度安定に貢献する。

速達・定時性

ITS Connect電波型PTPS

ITS専用無線で、青信号の延長や赤信号の短縮を路側装置に要求する。車群走行時には、最後尾車両から青延長の要求を発信することで赤信号により車群が分断されるリスクを低減する。

バリアフリー

自動正着制御(オプション)

路面の誘導線をカメラが検知し、自動操舵と自動減速により、乗降場の所定位置にバス停から隙間を開けずに停車させ車イスやベビーカーを利用する方の乗降性を向上させる。

主なスペック

■全長:10525mm

■全幅:2490mm

■全高:3350mm

■定員(座席+立席+乗務員):79人(22+56+1)

■FCスタック:トヨタFCスタック(固体高分子形)

■最高出力:114kW×2(155PS×2)

■モーター:交流同期電動機

■最高出力:113kW×2(154PS×2)

■最大トルク:335N・m×2(34.2kgf・m×2)

■高圧水素タンク:10本(70MPa)

■タンク内容積:600L

■駆動用バッテリー:ニッケル水素

■外部電源供給システム

・最高出力:9kW

・供給電力量:235kWh

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