ポルシェ 911 GT3 R ハイブリッドがレースデビュー
ポルシェは、3月27日に開催されたニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップのシーズン開幕戦において、911 GT3 Rでの優勝をはじめ、革新的なシステムを搭載した911 GT3 R ハイブリッドがデビュー戦で6位入賞、そしてヴァルター・ロールが911 GT3 RSで17年ぶりのカムバックし完走を果たすという、大きな3つの目標を達成した。
まず、マンタイレーシングチームのティモ・ベルンハルト(ドイツ)/マルク・リーブ(ドイツ)/マルセル・ティーマン(モナコ)組の480 PSを発生する新しいポルシェ911 GT3 Rが終始ノントラブルで、ニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップの初戦を制した。「新しい911 GT3 Rのデビュー戦で表彰台のトップに上れたのは、信じられないような体験でした」とベルンハルトが満足げに語る。ワークスドライバーであるチームメイトのリーブも「新しい911 GT3 Rは、全てのレーシング911の信頼性を受け継いでいるようです」とコメント。911 GT3 RはアウディR8に14.5秒、BMW M3に63.6秒の差をつけて総合優勝を飾った。
ポルシェ911 GT3 R ハイブリッドも、今後の活躍を予感させるデビューを飾った。ポルシェのワークスドライバーであるイェルク・ベルクマイスター(ドイツ)、リヒャルト・リーツおよびポルシェ ジュニア出身のマルティン・ラジンガー(いずれもオーストリア)が、ホワイト/オレンジにカラーリングされた911 GT3 R ハイブリッドをドライブ、トラブルに見舞われることもなく6位入賞を果たした。この車はフロントアクスルに60 kWを発生する2つのモーターを備え、エンジンをアシストする。「この新しい車がデビュー戦でこれほどのパフォーマンスを発揮したことによい意味で驚いています」とベルクマイスターが述べる。「レース中にデータ取りをしました。それらのデータを基に5月の24時間レースまでに911 GT3 R ハイブリッドをさらに仕上げるため忙しくなりそうです。私たちの目標は、パフォーマンスを落とすことなくライバルより燃費を稼ぐことにあります」とリーツは説明する。
このレースでは、世界ラリー選手権2冠のヴァルター・ロール(ドイツ)が17年のブランクを経てレース界復帰を遂げた。ロールはホルスト・フォン・サウルマ(ドイツ)とクリス・ハリス(イギリス)とチームを組み、450 PSを発生するポルシェ911 GT3 RSを駆り、素晴らしい走りで見事完走した。ロールは「911 GT3 RSは私の予想を遙かに上回り、ドライビングを愉しむことができました。ロードゴーイングカーにも関わらず純粋なレーシングカーに対抗することもできました。特に高速コーナーとブレーキングで卓越した性能を発揮します。最高なのは、このままナンバープレートを付ければバイエルンまで何の問題もなく乗って帰れることですね。今日は遠いし時間が遅いのでやめておきますが」とコメント。
ニュルブルクリンク・ロングディスタンスチャンピオンシップ第2戦は、4月10日正午から4時間にわたって競われる。
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