GMと騰中が「ハマー」売却で正式合意
GMおよび四川省騰中重工は、騰中重工による「ハマー」の取得について、両者が正式合意に至ったことを発表した。
本正式合意下の条件では、購入側(騰中重工)が、「ハマー」のブランド、商標マーク、商標名の所有権のほか、「ハマー」車の製造に必要ないくつかの知的財産権を取得することが定められている。また「ハマー」の販売店ネットワークに関連した既存の販売店契約も、騰中重工が引き継ぐこととしている。
騰中重工は、投資事業体を介して「ハマー」を購入する計画で、株の80%を保有する予定である。残りの20%は、芒硝石製品の生産を行う香港上場企業Lumenaなどを保有する民間企業家のSuolang Duoji氏が保有する予定。本合意の金銭的条件は開示されていない。
本取引は、通例の取引実行条件および規制機関の承認、および/または、米国と中国の政府機関による審査を受けなければならない。正式合意が締結されたことで、両者はこの規制審査プロセスの全過程を更に進めることができる。
本合意のもと、ハマーは、一定の移行期間中、車両製造および主要部品および営業サービスをGMに委託する予定である。例えば、米シュリーブポートにあるGMの組み立て工場は「H3」および「H3T」の組み立てを引き続き担当し、AMゼネラルの米ミシャウォーカーの組み立て工場は「H2」の組み立てを引き続き担当する予定である。両工場では2011年6月までハマーの特定車両の生産を実施予定で、オプションで最長1年間(2012年6月まで)の延長も可能となっている。この取り決めによって、アメリカでは、ハマー車の販売・製造に関連して3000超の雇用が確保される見込みである。
ハマーの経営は、今後も、現在の主導陣が担当し、ハマーの現CEOジェイムズ・テイラーも同ポジションに残る。ハマーの一員となる前、ジェイムズ・テイラーはキャデラックに所属し、ゼネラルマネージャーとして、キャデラックブランドの再活性化を監督し、デザインとテクノロジーに重要な革新をもたらしたほか、複数のニューモデルも開発させた。
この取引が完了すれば、ハマーは、全てのモデルにおいて、代替燃料に対応したパワートレインを提供する最初の自動車メーカーとなる。2010年型「H3」および「H3T」では新たにフレックス燃料(E85)にも対応する。また、ハマーは現在、北米以外の市場に投入予定の「H3」ディーゼルについて、排出ガス基準の認可取得の手続き中である。ハマーブランドは今後の開発において、代替燃料パワートレインを搭載している現存モデルの効率性および性能性の向上や、より効率性に優れたガスエンジン、6速トランスミッション、ディーゼルエンジンの開発に重点を絞っていく。
なお、GMアジア・パシフィック・ジャパンは、今後も日本において新たな輸入元が決定するまで、車両ならびに部品の販売およびサービスを継続するとしている。