シトロエン グランドC4ピカソへ新たに追加されたディーゼルの“実燃費”を試す!
- 筆者: 内田 俊一
- カメラマン:内田俊一
シトロエン C4ピカソ/グランドC4ピカソがマイナーチェンジ!
昨年2016年に発表され、投入が待たれていたシトロエン C4ピカソ/グランドC4ピカソのディーゼルエンジン搭載車がついに2017年3月よりデリバリーが開始された。事前告知通り、フェイスリフトと共に安全装備も充実しての登場となったので、早速1000kmばかり連れ出してみた。
注目ポイントは“ディーゼル追加”と“運転支援システムの充実”
実際に走り出す前に、マイナーチェンジのポイントについてお伝えしよう。
まず、エンジンは1.6リッターターボ付き4気筒DOHC(ガソリン)と、2リッターターボ付き4気筒DOHC(ディーゼル)の2種。ガソリンはDS4などと変更はないが、ディーゼルに関してはピカソ専用のチューニングが施され、150ps/4000rpm、370Nm/2000rpmとDS4よりも20ps、30Nmダウンされている。
エクステリアはフロントフェイス、特にバンパー周りを変更したほか、グランドピカソのみルーフレールカラーに明るいシルバーを採用。アロイホイールもカラーや一部デザインが変更された。
更に、運転支援システムは完全停止までサポートするアクティブクルーズコントロールや、5~140km/h間で作動するアクティブセーフティブレーキ、緊急時にはステアリング操作にまで介入するレーンキープアシストやアクティブブラインドスポットモニターなどが採用された。また、便利な機能として足先の動作で開閉できるハンズフリー電動テールゲートも装備されている。
今回テストしたのは7シーターの新型グランドC4ピカソ SHINE BlueHDiで、新色のラズーリ・ブルーを纏っていた。
テスト期間は2月23日から28日までの5日間。高速道路を中心に一般道も含め1050kmほど走行。タイヤはミシュラン プライマシーHP(タイヤサイズ:225/55R17)を履いていた。
シトロエン グランドC4ピカソ 市街地燃費テスト/活発ではないが、視界の良さを生かせる
シトロエン グランドC4ピカソ 市街地における実燃費:10.8km/L
走行距離:173.9km
街中を走り始めて、最初に感じたのは“足のしなやかさ”だ。実は以前、マイナーチェンジ前のガソリンモデルに乗った時に少しバネ下が重く、バタついた印象があったので気になっていたのだが、新型のディーゼルモデルは重量が130kgほど重くなったためか、ソフトで快適さを感じさせるものであった。
更に6速ATのギア比が適切で非常にスムーズにシフトアップ、ダウンがなされ、前述のパワーダウンによる痛痒さは全く感じることなく、混んだ街中を“泳ぎ回る”ことが出来た。
その時に有効だったのが、AピラーとA’ピラーの間に大型の三角窓が配されていることだ。これによって大幅に死角が減り、交差点での右左折時の確認を安心して行えた。
また、最近のPSAグループのディーゼルと同様にアイドリングストップからのエンジン再スタートはオルタネーター方式を取っているので、振動の伴わない非常にスムーズなかかり方であった。
一つ気になったことは、例えば下り坂でエンジンブレーキが欲しい時にパドルシフトでシフトダウンさせ、そのままアクセルもブレーキも踏まず、エンジンブレーキだけで走らせていると、途中でシフトアップしてしまうことがあり、そこから再びスピードが上がり始めるので、改めてパドルシフトを操作する必要に迫られた。せめて、こういった状況ではそのシフトポジションをキープしてほしいものだ。
シトロエン グランドC4ピカソ 高速道路燃費テスト/まさに“高速巡洋艦”
シトロエン グランドC4ピカソ 高速道路における実燃費:17.4km/L
走行距離:877.8km
このクルマの真価は高速道路で発揮される。多少アンダーパワーと感じようとも、いったんスピードに乗せてしまえば燃料の続く限り淡々とどこまでも走って行くことが出来る実力を備えている。
そこに大きく貢献するのが直進安定性だ。多少の横風程度であれば、進路を乱されることもなく、軽くハンドルに手を添えておくだけで事足りる。
そこに、座り心地が良く、疲れにくいフロントシートや、しなやかかつダンピングの効いた足回りが伴っているので、一気に名古屋あたりから東京まで帰ってきて、すぐに仕事というスケジュールにも対応できるほどだ。
100km/hでのエンジン回転は1500rpmをわずかに上回るくらいなので、ほとんどエンジン音は気にならなかった。
高速では、いくつかの運転支援システムを試してみた。まずアクティブクルーズコントロールは、ステアリングスイッチで設定出来る。その性能は可もなく不可もなくといったところ。誤作動率は他社と同程度で、例えば高速の緩いコーナーで隣の車線のクルマを認識することがわずかにあったレベル。
ただ、正確に車間距離を保とうとしばしばブレーキを使うのはいかがなものか。ドアミラーで観察していると、ストップランプがちかちかと頻繁に点灯するので、途中から使うのをやめてしまった。上手くエンジンブレーキと車間距離のファジーな部分を組み合わせることで、もう一歩洗練されたものに進化してほしいと感じた。誰でも前走車のブレーキランプが度々点灯するのは嫌なものだ。
レーンキープアシストは、あくまでもレーンをはみ出しそうになった時にステアリングにトルクがかかり、元に戻そうとするもので、時にコーナリング中に反応することがあるので注意が必要だ。
さて、燃費だが17km/Lオーバーを記録した。全体の1/3程度は流れをリードするような走り方をしていたので、大人しく流れに身を任せてこのクルマに相応しい走りを心がければ18km/Lオーバーも可能であろう。
1000km試乗したからこそ気になる“あれこれ”
1000kmほどともに過ごすと色々と細かいところが気になってくる。これは最近のシトロエン全般にいえることなのだが、ステアリングにシルバーの加飾が取り付けられている。これが冬の冷え切った車内では冷たくなってしまい、そこを出来るだけ触れないようにステアリングを握らざるを得なかった。フランスも非常に寒いので、なぜこのような加飾があるのか理解に苦しむ。
また、時間的制約で2列目と3列目を試すことが出来なかったが、1席1席丁寧に作られている印象を受けたことから、特に2列目は快適に過ごせそうなので、家族皆で気持ちよくドライブが楽しめるだろう。
古いシトロエンに乗ると、様々な操作やクルマの走らせ方が独特で、それをスムーズにこなすための知的な遊びにも似たコツやテクニックが必要だった。
しかし一度それをマスターすると、本当にスムーズにまるで魔法の絨毯(というには大げさだが)で地の果てまで走って行けそうなイメージをドライバーや乗員に持たせてくれた。
さすがに今のシトロエンにそういったテクニックは必要ないが、一目でC4ピカソとわかるデザインをはじめ、シフトレバーの位置、不思議なメーターレイアウトなど、現代のシトロエンにも独自の世界観が広がっている。
シトロエン グランドC4ピカソ SHINE BlueHDi 主要諸元・価格
全長 x 全幅 x 全高:4,605 x 1,825 x 1,670mm/ホイールベース:2,840mm/最小回転半径:5.5m/車両重量:1,640kg/乗車定員:7名/エンジン:ターボチャージャー付直列4気筒DOHC(ディーゼル)/総排気量:1,997cc/最高出力:110kW(150PS)/4,000rpm/最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1,400-3,500rpm/燃料消費率:18.0km/L/駆動方式:前輪駆動/トランスミッション:6速オートマチック/タイヤ:205/55R17
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