BMW 新型1シリーズ「118d」試乗・燃費レビュー/こんなに楽しいFRを手に入れられるのは最後かも!?(1/2)
- 筆者: 内田 俊一
クリーンディーゼルを搭載したコンパクトFR「BMW 118d」その走りと燃費をチェック!
BMWの新世代4気筒ディーゼルエンジンが、1シリーズにも搭載された。
この2リッター直列4気筒クリーンディーゼルエンジンは、最新のコモンレールダイレクトインジェクションシステムと可変ジオメトリーターボチャージャーを組み合わせ、最高出力110kW(150ps)/4,000rpm、最大トルクは320Nm(32.6kgm)/1,500-3,000rpmを発揮。そこに8速オートマチックが組み合わされる。
という小難しい話は置いておいて、このサイズのFRにディーゼルエンジンが搭載されたことで、走りと燃費についてレポートしよう。
今回テストしたのは「118d Sport」で、テスト期間は8月8日から22日までの14日間。郊外のオープンロードや、高速を中心に962kmを走行した。燃費計測は車載計を使用している。
なお、タイヤはブリヂストンTURANZA ER300 RFT 205/55/16を履いていた。
「BMW 118d」市街地燃費テスト/アイドルストップからの再始動は“かなり”気になる
「BMW 118d」市街地における実燃費:12.7km/L
走行距離:777.5km
街中を走り出した第一印象は、とにかく「ステアリングがクイック」だということ。ロック to ロックは2回転なので、それだけでもよく切れることが感じられるが、「バリアブルスポーツステアリング」が装着されているで余計そう感じるのだろう。
それに加えて、ディーゼルエンジンが回りたがる性格で、レッドゾーンが始まる5400rpmまで一気に吹き上がる。もちろんあえてそういう走り方をすればの話で、街中の流れに乗るには1500rpmも回しておけば十分。8速ATがショックもなくどんどんシフトアップしてくれる。2000rpmを超えるくらいまで引っ張ると、十分に流れをリード出来る。
一方で、アイドルストップからの再始動は最後まで気になった。
人間は慣れる動物だ。あらゆるものに長く親しんでいると自然とその状況に慣れてしまい、違和感を覚えなくなる。冒頭で書いたように、一瞬の身震いの後エンジンが目覚めるのは、アイドルストップからの細動も同様だ。信号停止のたびに、この振動を経験することになるのだが、これだけは最後まで慣れることはなかった。ぜひ、オルタネーター等を利用して、スムーズな再始動を望んでおこう。
また、停止する寸前にアイドルストップが効くことがあり、そうするとブレーキの負圧が変わり、ぎくしゃくした停止になることもあった。
もう一つ気になったことがある。それは「メーターナセルの高さ」だ。
これはどのBMWも共通なのだが、シートポジションとステアリングの高さを好みに合わせると、若干メーターナセルが高めになり、視野を遮ることになるのだ。従って、ヒップポイントを高めに位置するドライビングポジションをとることになってしまった。もう少しメーターのフードカバーが低くなると更に乗りやすくなるだろう。
燃費について触れておくと、平均で「12.7km/L」を記録。これは、通常よりも悪い数値と理解していただいていいだろう。
というのは、今年のお盆は酷暑でその中の大渋滞を這いずり回ることがあった。その時は、快適なエアコン温度を維持するためにアイドルストップが効かず、30分以上その状態だったのだ。因みにメーター上では、5km/L台まで落ち込んでしまったので、普段通りであれば、もう2割程度は伸びるかと思われる。
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