トヨタ エスティマハイブリッド 実燃費レビュー【総評編】(2/2)

あなたのエスティマハイブリッドに何を感じたか

北海道を除くと、日本ではヨーロッパやアメリカなどよりも平均走行距離が短いから、なかなか長距離走行後の結果をうかがい知ることができない。

500kmというと、東京から大阪までの距離とほぼ等しい。東京から大阪までクルマで行くと言うと変わり者扱いされるのが日本の現状だが、世界の多くの国では500kmというのは長い移動距離ではない。

そう考えれば、伊達や酔狂でないことは理解していただけるだろう。

今回、トヨタ・エスティマハイブリッドで、東京から房総半島に渡り、半周。九十九里を北上し、内陸に戻って高速道路で帰京。走行距離は、502.4km。総平均燃費は、13.1km/L。乗り初めと、ゴールとで運転した印象の変化は小さくはなかった。

エスティマHVを評価する場合、ハイブリッドのメリットとデメリットを、どう受け止めるかが分かれ目になるだろう。また、ミニバンとしての使い勝手を考える場合に、小さな子供の存在が大きく評価を分けることをS編集長の実体験から知ることができたのは有益だった。

「ミニバンに何を求めるか」ということは、翻って「クルマに何を求めるか」ということと等しい。長距離を走ると、クルマに何を求め、何によって評価を下すべきなのか、さまざまな側面から評価すべき点が浮かび上がってくる。エスティマHVは、燃費は優秀だったが、その燃費を達成するためのバッテリーの設置場所がミニバンに求められる重要な機能をひとつ犠牲にしてしまっている。それらを差し引きすれば、あなたのエスティマHVの評価は自ずと定まってくるはずだ。