三菱自「燃費不正」問題の測定方法『惰行法』と『高速惰行法』の違いとは
- 筆者: 国沢 光宏
空気抵抗の差を反映した負荷を掛けるという考え方はどちらも同じ
三菱自動車の燃費不正の問題で、走行抵抗の計り方に『惰行法』と『高速惰行法』という二つのタイプが出てくる。大雑把に言って日本は前者を、アメリカで後者を採用していると言われているものの、これについて計り方を説明しているメディアは無い。
簡単に紹介してみたいと思う。
ご存知の通りシャシダイナモ測定はクルマを動かさず行うため、車重が同じならどんなボディ形状であっても同じ燃費になってしまう。実際は空気抵抗の違いで燃費も大きく変わってくる。
そこでシャシダイナモ測定に空気抵抗の差を反映した負荷を掛けてやりましょう、というのが基本的な考え方。
まず『惰行法』だけれど、車速20km/hの走行抵抗を計る場合、車速25km/hでニュートラルにする。そして10km/h落ちるまでの時間を計り、抵抗を算出。
1回だと正確じゃないし、風向きにもよる(試験は基本的に無風の日に行う)。そこで3回以上往復し、平均値を採用することになってます。
ちなみに3回のバラ付きが大きければ4回、5回と行っていく。全く同じ方法で走行抵抗を10km/h刻み取り、走行抵抗を出す。90km/hまで取るとなれば、最低3往復を7回行わなくてはならない。
まぁ手間が掛かると言えばその通り。ここで出た車速毎の抵抗係数をシャシダイナモに負荷として掛けてやると言うのが惰行法。
惰行法と高速惰行法による走行抵抗の差は大差なし
逆に『高速惰行法』はシンプル。車速を150km/h程度まで上げておき、そこから1秒ごとに落ちる速度を測っていく。1秒で落ちる速度=走行抵抗ということになります。
高速域では空気抵抗がハッキリ反映されるため、正確な数値になると言われている。ただ低速域は少しバラつく傾向。
走行試験は往復で4回以上行えば良く、時間も掛からない。どちらの計測方法も、空気抵抗+タイヤの転がり抵抗の数値になるため、絶対的な抵抗という点では大差なし。
ただ、三菱自動車によれば3%程度「高速惰行法」の方が悪い数値になるため、日本で計測するときには補正しているそうな。
具体的に書くと高速惰行法での走行抵抗が100と出たら、97にして日本の燃費試験のデータにしていたということ。
ここまで読んで頂ければ解る通り、惰行法と高速惰行法による走行抵抗の差は無視出来るレベルだと思う。ただ決まり通りにやらなかった、という事実は明らかな法令違反だと考えます。
[Text:国沢光宏]
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