三菱 アウトランダー PHEV(プラグインハイブリッドEV) 公道試乗レポート/松下宏(3/3)

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:オートックワン編集部・和田清志
三菱 アウトランダー PHEV(プラグインハイブリッドEV) 公道試乗レポート/松下宏
三菱 アウトランダー PHEV(プラグインハイブリッドEV) G NAVI Package[4WD/ボディカラー:テクニカルシルバーメタリック] 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] エクステリア・フロント正面 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] エクステリア 三菱 アウトランダー PHEV G Safty Package[4WD] エクステリア・サイドビュー 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] エクステリア・リアビュー 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] エクステリア・リア正面 三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] フロントノーズ周り 三菱 アウトランダー PHEV エンブレム 画像ギャラリーはこちら

走りながら電池を溜め込んで、後で使うことも可能

三菱 アウトランダー PHEV(プラグインハイブリッドEV) 公道試乗レポート/松下宏 6

アウトランダーPHEVを普通に走らせると、最初に電池を使って電気自動車として走り、電池の残量が少なくなるとハイブリッド車として走る仕組みだが、これを逆にすることもできる。

たとえば高速道路などを使って高原の避暑地に出かけるとき、高速ではハイブリッド車として走って電池を残すようにし、現地に着いてから電気自動車として走りたいといったケースがある。

こんなときには、シフトレバーの脇にある「SAVE」と書かれたボタンを押すと、電池をセーブしてハイブリッド車として充電しながら走るモードになる。現地に着いてから電気自動車の走りをいっぱいに楽しめる。

信号待ちなどでクルマが停止すると、静かで「しん」とした空間になる。電気自動車として走っているときも相当に静かなクルマであるのはすでに書いた通りだが、停車中にロードノイズも風切り音もなくなるので一段と静かな空間になる。こんな空間なら、ロックフォード・フォズゲートのプレミアムオーディオの音の良さが引き立つ。

三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] セレクターレバー(ジョイスティックタイプ)三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] 2.0リッター 4気筒 DOHC MIVEC ガソリンエンジン+フロントモーター三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] リアコンビランプ三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] コンセント使用例三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] コンセント仕様例

床下に重いリチウムイオン電池を積むおかげで走行安定性も高い

三菱 アウトランダー PHEV(プラグインハイブリッドEV) 公道試乗レポート/松下宏 5三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] 225/455R18タイヤ(マッド&スノー)+18インチラウンドリムタイプアルミホイール

アウトランダーPHEVは操縦安定性の面でも優れたクルマに仕上げられている。これは重心高が低くなっているためだ。重量のあるリチウムイオン電池を床下の低い位置に搭載しているので、アウトランダーに比べて45mmも重心が下がったという。これが走りの安定感につながっている。

同様に電池の搭載によって前後の重量配分が前55:後45と理想に近いものになった。これも走りの安定感につながっている。駆動用の電気モーターが前後に搭載され、4WD車の走りが得られるので滑りやすい路面などにも強い。

前後のモーターの駆動力配分は通常はやや後輪寄りとのことだが、常時走行条件に応じて最適配分されているので、ドライバーがこれを意識することはない。

また三菱独自のシャシー技術であるS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)も装備されていて、ツインモーター4WDのほかにAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)やASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール=横滑り防止装置)、ABSなどを組み合わせて総合的に制御し、安定性を高めている。

こうした駆動配分の効果でタイトなコーナーなどでもしっかりノーズが向きを変えていく。この点では大型なSUVとは思えない軽快感が感じられる。基本的には環境性能を追求したクルマながら、スポーティな走りを積極的に楽しめるクルマでもある。

ただし、乗り心地はけっこう硬めだった。タイヤサイズが18インチと大きめなことと、リチウムイオン電池を搭載して重くなったのに対応して足回りを硬めに設定しているためだ。特にマンホールなど、路面の悪い部分では乗り心地の硬さが気になった。

気になる燃費は・・・67.0km/L!!

三菱 アウトランダー PHEV(プラグインハイブリッドEV)を 公道で試乗レポートしてくれた松下宏さん三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD] 充電口(普通充電中)

アウトランダーPHEVは、EVモードを中心にして走ればガソリン代に対して電気代が格安ですむし、一定程度にエンジンを使うPHEV車としてのモード燃費も67.0km/L[プラグインハイブリッド燃料消費率(複合燃料消費率:JC08モード)]に達している。ガソリン車の燃費争いがバカバカしくなるような数値である。

仮に充電ができない状況で使っても、常時エンジンを回すハイブリッド車としての燃費が18.6km/Lだから、これも相当に良い数値である。アウトランダーのガソリン車と比べてもずっと良いのだ。

PHEVは高いリチウムイオン電池を使うこともあって、ガソリン車に比べると価格は高くなる。でもPHEVはエコカー減税や補助金が受けられるし、ガソリン代と電気代の差が大きいので、PHEVのほうが経済性に優れている。

この計算はユーザーが住む地域によっても異なるほか、2013年度以降の補助金はまだ決まっていないが、経済的にも見てもリアリティのある環境性能車といえる。

強いて問題点を上げるなら、電気自動車やPHEVなどは買うユーザーを選ぶクルマであることだ。自分の駐車場に充電整備を備えることが必要なので、事実上、戸建て住宅に住むユーザーに限られる。集合住宅などに住んでいるユーザーには欲しくても買えないクルマであるのが難点だ。

[レポート:松下宏]

三菱 アウトランダー PHEV[4WD] カットモデル三菱 アウトランダー PHEV[4WD] カットモデル・フロント部三菱 アウトランダー PHEV[4WD] カットモデル・床下部三菱 アウトランダー PHEV[4WD] カットモデル・リア部三菱 アウトランダー PHEV[4WD] 床下周り(バッテリー)

三菱 アウトランダー PHEV「G Safty Package」[4WD] 主要諸元

三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD]三菱 アウトランダー PHEV G NAVI Package[4WD]

全長x全幅x全高:4655x1800x1680mm/ホイールベース:2670mm/車両重量:1790kg/駆動方式:ツインモーター式4WD/モーター種類:永久磁石式同期モーター/モーター搭載数:2基(フロント1、リア1)/モーター最高出力:82ps[60kW](フロント)/82ps[60kW](リア)/モーター最大トルク:14.0kgf・m[137N・m](フロント)/19.9kgf・m[195N・m](リア)/バッテリー種類:リチウムイオン電池/バッテリー総電圧:300V/バッテリー総電力量:12kWh/エンジン種類:2.0リッター 4気筒 DOHC MIVEC ガソリンエンジン(使用燃料:レギュラーガソリン)/エンジン最高出力:118ps[87kW]/4500rpm/エンジン最大トルク:19.0kgf・m[186N・m]/4500rpm/充電時間の目安:約4時間[満充電](AC200V/15A)/急速充電:約30分[約80%](メーカーオプション)/充電電力使用時走行距離:60.2km[JC08モード]/複合燃料消費率:67.0km/L[JC08モード]/ハイブリッド燃料消費率:18.6km/L[JC08モード]/充電電力使用時燃料消費率(プラグイン燃料消費率):-(専ら外部充電による電力により走行)/タイヤサイズ:225/55R18 98H/車両本体価格:366.4万円[消費税込み]《参考:平成24年度クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金・・・上限43.0万円》/エコカー減税:100%免税[自動車取得税/自動車重量税]

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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