マツダ 新技術i-stop試乗レポート(2/3)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:吉澤 憲治(編集部)
ブレーキペダルから足を離して、たった0.35秒で再始動
マツダi-stopの特徴はエンジンの燃焼を再始動に使い、スターターモーターは 補助的に使うようにしていること。これによって素早い再始動が可能になった。 どういことか分かりやすく説明しよう。
普通のクルマでエンジンをかけるとき、 イグニッションキーを回してスターターモーターを動かす。これによってエンジ ンに勢いをつけてから燃料を噴射し、それから点火してという形でエンジンが回っていく。 ハイブリッド車を含めたアイドリングストップ機構を備えたクルマも基本的に同じ方式で、スターターモーターによってエンジンを再始動させている。
これに対してマツダi-stopは最初の始動時には普通にスターターモーターを使うが、アイドリングストップからの復帰(再始動)時には、いきなりエンジンのシリンダー内に燃料を噴射して点火することでエンジンを回す。だから素早い再始動ができる。このときスターターモーターは補助的に使うだけだ。
アイドリングストップからの再始動にエンジンの燃焼を使うには、再始動に使うどれかひとつのシリンダーのピストン位置を調整することが必要だ。ヘタをす るとエンジンが逆回転する可能性があるから、燃焼させるのにちょうど良い位置でピストンを停止させないといけない。このあたりに特に工夫が凝らされている。
ピストンの位置を正確に判断するためにクランク角センサーを新しいものにしたのはそのためだ。また補助的に使うとはいえ使用頻度の高まるスターターモーターの仕様も見直し、スターター専用にもうひとつのバッテリーを搭載するなどしたが、直噴エンジンのメカニズムそのものは大きな変更を受けていない。比較的シンプルで効果的なシステムに仕上げたという。
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