マツダ デミオ スカイアクティブ 試乗レポート/渡辺陽一郎(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正/オートックワン編集部
デミオの乗り心地を含めた走りの洗練度は◎
フロントシートは、バックレストに変更を施して柔軟性が増し、座り心地、サポート性ともに申し分ない。
リアシートは、全高が1475mmと低めの設定で、天井を後方に下降させたデザインだから、着座位置が低い。今までと同様に膝が持ち上がる。頭上の空間も狭めだ。
サイドウインドーの下端を後ろに向けて持ち上げたから、斜め後方の視界もいま一歩。購入を考えているなら、リアシートの居住性と後方視界は、ディーラーの展示車や試乗車で確認したい。
もっとも、空間効率が下がった代わりに、外観は欧州車風でなかなかカッコイイ。
気になるのは、フィットハイブリッドとの優劣だろう。動力性能はモーター駆動の支援で1.6リッター並みになるフィットの勝ちだ。走行安定性は前述のマイナーチェンジもあり、デミオが優位。乗り心地を含めた走りの洗練度もデミオだ。
居住性はフロント側は同程度だが、リア側はフィットの圧勝。荷室やシートアレンジでもフィットが勝る。実用性ではデミオは太刀打ちできない。
装備と価格のバランスはどうか。価格はデミオ13スカイアクティブが140万円、フィットハイブリッドが159万円。
特徴的な装備として、デミオには横滑り防止装置とアルミホイールが標準装着され、フィットには車間距離の制御機能を持たないクルーズコントロール、テレスコピックステアリング、シートリフター、ドアミラーウインカーが備わる。装備のレベルは両車とも同等と考えて良い。
となれば結論としては、価格差の19万円はフィットの快適なリアシートや広い荷室、多彩なシートアレンジに充てられ、買い得感は同等と判断できる。
既存のグレードは価格が同程度だから高機能な分だけフィットが買い得だが、「30km/Lグレード対決」は引き分け。「買い得だからフィットを選ぶ」という判断は成り立たない。
こうなるとデミオの魅力は、13スカイアクティブの設定で際立ってくる。
そしてもともとデミオの背の低いボディは、優れた燃費性能や上質な運転感覚をねらったものでもあった。
つまり13スカイアクティブは、デミオという車種全体の考え方を象徴したグレードにも位置付けられる。「デミオの真打ち」と言って良いだろう。
また、同じ燃費性能を達成できるなら、メカニズムはなるべくシンプルに抑えた方がエコ度は高まる。
ハイブリッドではモーター/専用バッテリー/制御機能は不可欠で、その生産や輸送、さらに廃棄する時にもエネルギーを消費して二酸化炭素を排出するからだ。
デミオ13スカイアクティブは、「本当のエコカーとはどのようなクルマか」を考える機会も与えてくれた。
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