レクサス LS600h 海外試乗レポート(3/3)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
アクセルペダルをオフにすると回転計の貼りがストンと0に
試乗に入る前にパワーユニットやサスペンションのことに触れてみよう。
LS600hのパワーユニットはV8、5Lのガソリンエンジンとモーター+ニッケル水素電池。その出力はV8が394馬力、53.0kg-m、モーターは224馬力、30.6kg-mという数値。エンジンとモーターの馬力をプラスすると618馬力になるが、それは数値上のことでシステム上では445馬力程度という。この馬力を路面に伝えるのは電気式無段変速機。マニュアルシフトモードで8速の変速も楽しめる。
駆動方式はフルタイム4WD。このためにフロントサスペンションは新開発のマルチリンク式を装着している。試乗はドイツのフランクフルト近郊。アウトバーンや一般国道を使っての試乗だった。試乗車はLS600hとロングホイールベースのLS600hL。左ハンドルのドイツ仕様、右ハンドルの日本仕様のそれぞれにLS600hとLS600hLが用意されていた。
まず最初は欧州仕様のLS600h。Dレンジからのスタートはエンジン音もなく、スムーズ。エンジン回転計の針も動かず、電気モーターで直行する。 やがてエンジンがかかりハイブリッド走行。しかしアクセルペダルをオフにすると、回転計がストンと0に落ちる。これがハイブリッドらしいところ。ちなみにエンジン回転計を装備するトヨタのハイブリッド車はこのLS600hがはじめてだ。走行中に回転計の針がストンと0に落ちるのは、これまでにない経験だ。
V8、5L+モーターの加速は、スタートこそ約2.3トンの車重の重さを感じるものの走り出してしまえば、エンジン+モーターの強大なトルクで、アクセルの動きに敏感に反応し、即座に加速する。このレスポンスのよさは、V8、6Lクラスのメルセデス・ベンツに近いフィーリングだ。ただし、エンジン音は3,000回転あたりから高まる。100km/h巡航時にエンジンが回っているとDレンジで1,300回転ぐらいなので、3,000回転以上での走行は180~200km/hぐらい。そこでのエンジン音の大きさは、日本ではあまり関係ないが、V8、5Lエンジンのうなり音はやや大きめだ。一方、町中での走行では1,200回転前後でのこもり音もやや気になった。この点を技術陣に指摘すると、彼らもそれは把握していた。試乗車は発売前の試作車ということなので、このこもり音は市販車では対策が行なわれているはずだ。 Dレンジでの動力性能は手持ちのストップウォッチで0→100km/hを6.5秒で走りきった。カタログデータでは6.3秒なので、この数値は、誰にでも出せるタイムといえる。V8、5Lセダンとしてはヨーロッパのライバルと同等レベルだ。
違うのは燃費だ。今回は満タン法による給油はできなかったが、車載の燃費表示では7~8km/Lを示していた。アウトバーンでの150~180km/h走行主体でこの数値なので、日本で80~100km/h走行なら10km/L以上は確実。モーター走行の多い町中ではさらに好数値なはずなので、ヨーロッパのライバルたちよりも確実に省燃費=排ガス量が少ない=環境にいい、ということになる。
乗り心地だが、LS600hは電子制御式エアサスペンションとアクティブスタビライザーサスペンションシステムを備えている。その乗り心地とハンドリングは、全体にややかため。高速走行での安定性もやや神経質だった。むしろ、アクティブスタビなしの日本仕様のLS600hLが、しなやかで、よかった。
LS600hLはリアシートの乗り心地がややかためではあるが、ゆったりとしており、ノーマルのLS600hよりも、いかにもハイブリッドの高級車に乗っているという気にさせてくれる。とくにセパレートシートに座り、リクライニングさせ、エアの押圧とバイブレーターによるマッサージ機能を作動させると、快適さはさらに向上する。
レクサスLSのハイブリッド車に乗るなら、たとえリアシートに座らなくても、LS600hLをすすめたい。
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