ランドローバー 新型レンジローバースポーツ 海外試乗レポート/九島辰也(2/2)
- 筆者: 九島 辰也
- カメラマン:ジャガー・ランドローバー・ジャパン
力強くジェントルで、スポーツカーのようにキビキビしたV8モデル
では、最初に乗ったV8からその印象をお届けしよう。
まず、V6とV8の見分け方にもなるが、V8のグリルとバンパー下部はクロームではなく黒く塗られる。そのため迫力が増し、精悍さが備わる。この辺の“黒使い”は昨今のトレンドであるが、うまい具合の化粧といえる。
そして走りはイメージのまま。アクセルに対するレスポンスは力強く、文字通り大きなエンジンが大きなトルクを発生させて車体を前へ突き出す。
パワーでボンネットが浮き上がる様もいい感じだ。ただ、そこからの姿勢はジェントルで暴れ馬のようではない。舵とカラダの一体感は申し分なく、それこそスポーツカーのようにキビキビした動きを見せる。ステアリングの操舵感はSUVよりもスポーツセダンといったところだろう。
乗り心地は若干硬めだが、想像の範囲内。世界のメディアにこのクルマがスポーティであることを知らしめるにはちょうどいい塩梅となる。だが、リアシートに乗るともう少し減衰圧を抑えてもよかったかもしれないと思った。ピッチングはそれなりだし、段差によってはそのままお尻にドンという突き上げがあった。そう考えると、試してはいないがサードシートのロングドライブはちょっと辛いかもしれない。まっ、とはいえ試乗車はオプションの21インチホイールを装着していたことを忘れてはならない……。
中でも45度のダウンヒルとヒルクライムは印象的。35、6度のコースは比較的多くあるが、45度は少ない。で、レンジローバースポーツはそれを難なくクリアした。
センターデフとリアデフをテレインレスポンス2が匠にロックしながらスムーズに、かつがっしりと路面を掴む。ただ、彼らがここでいいたかったのはオフロード能力だけではなく、このクルマは深いアングルを持っていること。
スポーティなデザインを構築しながらアプローチ/ディパーチャーアングルがしっかり稼がれていることを強くアピールしている。“いやはやお見事!”である。
といった感じの新型レンジローバースポーツ。基本性能が高いのをヒシヒシと感じさせられた。
そしてこのスタイリング&デザイン。高級サルーンもいいが、アクティブな自分を演出するにも最強のパートナーとなりそうだ。
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