マイナ免許証の一体化はリスク大? 紛失時は1週間以上運転できない!? 「2枚持ちが最強」の理由とは

  • 筆者: MOTA編集部
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マイナ保険証への切り替えの次は「マイナ免許証への一体化」を検討している方も多いかもしれません。更新手数料が安くなることや、従来の免許証を持たずにすむためカード枚数が減りスマートという点に惹かれますよね。

でも、もしマイナンバーカードを紛失してしまったら、最短でも1週間、長ければ1ヶ月も車を運転できなくなる可能性があることをご存知でしょうか?

この記事では、そんなマイナ免許証一体化のリスクと、マイナ免許証と従来免許証の「2枚持ち」をおすすめする理由について解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 意外と知られていない「マイナ免許証一体化」3つのデメリットとは?
  2. マイナ免許証と従来の免許証の「2枚持ち」が今の最適解である理由
  3. 一体化 vs 2枚持ち vs 従来型のみ 最適な選択肢はどれ?
  4. まとめ:マイナ免許証と従来免許証の「2枚持ち」が最適解

意外と知られていない「マイナ免許証一体化」3つのデメリットとは?

マイナ免許証とは、マイナンバーカードに運転免許証の情報を記録したものです。マイナンバーカードを運転免許証として利用できる制度で、2025年3月24日から全国で運用が開始され、テレビやニュースで知った方も多いでしょう。

上記のようなマイナ免許証のメリットばかりが強調されており、マイナ保険証とあわせてマイナンバーカードに一体化したいと考えている人も増えています。

しかし、免許証とマイナンバーカードを一体化するリスクについては、あまり知られていません。

ここでは、一体化の前に知っておくべき3つのデメリットを、実際に困った人の声とともに詳しく解説します。

【一体化デメリット1】紛失すると最低1週間は「無免許状態」

まず最も深刻なのが、紛失時のリスクです。

マイナンバーカードを紛失してしまうと、再発行には特急手続きを使っても最短で1週間、通常は1ヶ月ほどかかります(2025年12月現在)。従来の免許証なら、運転免許センターなどで即日でも再発行してもらえたのに、マイナンバーカードはそうはいきません。

つまり、マイナ免許証に一体化した場合、マイナンバーカード再発行までの期間中は一切運転ができないのです。法律上、免許証を携帯せずに運転することは禁止されていますから、マイナンバーカードの再発行を待つしかありません。

再発行までの空白期間、あなたは「無免許」と同じ状態になります。通勤も、送迎も、買い物も、すべて車なしでこなさなければなりません。

ちなみに、スマホへの機能搭載も進んでいますが、現時点では「運転免許証」としての法的効力はありません。スマホで免許情報の確認はできますが、マイナンバーカードを紛失した時点で運転は不可となります。

【一体化デメリット2】有効期限が見えず「うっかり失効」の可能性

次に、多くの人が実際に使ってから気づいて驚くのが、「有効期限が見えない」という問題です。更新のお知らせは自宅宛てにハガキで届きますが、見逃す可能性もあります。

従来の免許証なら、カードを見れば一目で「あと何年で更新だな」と分かりました。でも、マイナ免許証の場合、カードの表面には免許番号も有効期限も一切記載されていないのです。

「え、じゃあどうやって確認するの?」と思いますよね。

確認にはひと手間かかります。スマホに専用アプリをインストールして、アプリを起動後、マイナンバーカードのICチップを読み取り、暗証番号の入力をすると免許情報を見ることができます。

ちょっと確認したいだけなのに、こんなに手間がかかるなんて、正直不便ですよね。免許証のように一目で確認できないことで、「面倒だから確認しない」→「気づいたら失効していた」ということも十分にあり得るのです。

【一体化デメリット3】レンタカーや海外で「使えない」可能性あり

3つ目のデメリットは、意外と知られていない「使えない場面」の多さです。

2025年12月現在、一部のレンタカー会社では、本人確認用のICチップ読み取り機が配備されておらず、マイナ免許証での受付に時間がかかる、あるいは断られるケースがあります。

さらに深刻なのが、海外での運転です。 海外で運転するために「国際免許証」を取得する場合、マイナ免許証でも申請自体は可能です。

しかし、渡航先で実際に車を借りる際、現地のカウンターで「国際免許証」と「日本の免許証(原本)」の両方の提示を求められることが一般的です。

このとき、マイナンバーカードを提示して免許情報を表示したとしても、海外の担当者はそれが「日本の正式な運転免許証である」と認識できない可能性が高いです。

また、海外では、券面に免許情報が記載されていないマイナンバーカードはただのカードとみなされ、現地の警察や役所などの公的機関では無免許扱いとなる可能性もあります。

外務省も注意喚起していますが、海外旅行や海外出張で車を運転する可能性が少しでもある方は、従来の免許証を持っておくのが最も安全です。

参考:外務省

マイナ免許証と従来の免許証の「2枚持ち」が今の最適解である理由

実は、マイナ免許証に登録しながら、従来の免許証も同時に保持する「2枚持ち」という選択肢もあります。

2枚持ちは一体化のようなリスクはなく、それでいてマイナ免許証の利便性も享受できるためおすすめです。

「マイナ免許証にしたら、従来の免許証は返納しなきゃいけない」と思われていますが、それは誤解です。警察庁も「従来の免許証も引き続き利用可能」としており、2枚を併用することは何の問題もありません。むしろ、現時点では「2枚持ち」こそが最も賢い選択肢だと言えるのです。

参考:警察庁

最強のバックアップ:片方を紛失してもう1枚で運転可能

2枚持ちの最大のメリットは、何といっても「最強のバックアップ体制」です。

考えてみてください。もしマイナンバーカードを紛失してしまっても、従来の免許証があれば、引き続き運転を続けられます。

逆に、従来の免許証を紛失しても、その間もマイナ免許証を使って運転ができますから、再発行のために運転免許センター等まで車で向かうことができます。

つまり、「どちらか1枚さえあれば、常に運転できる」という完璧なセーフティネットが構築できるのです。

オンライン講習が受講可能

マイナ免許証を保有している場合は、更新講習をオンラインで受けることができます。

オンライン講習なら、パソコンやスマホを使って、場所や時間を問わず手軽に受講できます。

ただし、一部の自治体ではマイナ免許証の所持に関わらず、オンライン更新講習が受けられるという運用が試験導入されているため、いずれはマイナ免許証所持者のメリットではなくなるかもしれません。

ちなみに免許更新には講習のほかに、写真撮影や視力検査などがありますが、これらについてはオンラインでおこなうことはできず、これまで通り警察署や運転免許センターに出向かなければなりません。

更新手数料は従来の免許証のみと比べ、たったの+100円

「2枚持ちにすると手数料が高くなる」というのは事実です。

保有の形態 手数料 従来免許証のみとの差額

マイナ免許証のみ(一体化)

2100円

-750円

免許証のみ(従来通り)

2850円

+0円

2枚持ち(両方)

2950円

+100円

※手数料は2025年12月時点のもの。別途、講習区分に応じた「講習手数料」がかかります。

確かに、従来の免許証のみなら更新手数料は2850円ですが、マイナ免許証と従来の免許証の2枚持ちの場合は2950円かかります。差額は100円です。

たったの100円で、数年間の安心を買える保険のようなものです。これほどコスパの良い選択は、なかなかありません。

ただし、更新手続きの際にはマイナ免許証(マイナンバーカード)と従来の免許証のそれぞれ持参が必要という点や手続きに少し時間が掛かるという点はデメリットでしょう。

一体化 vs 2枚持ち vs 従来型のみ 最適な選択肢はどれ?

ここで、3つの選択肢を客観的に比較してみましょう。以下の表を見れば、それぞれのメリット・デメリットが一目で分かります。

マイナ免許証、2枚持ち、従来免許証のみの比較

項目 一体化 2枚持ち 従来免許証のみ
更新手数料

2100円

2950円

2850円

カード枚数

1枚

2枚

1枚

紛失時の運転

×(1週間~1ヶ月不可)

○(もう1枚でカバー)

△(即日再発行可能)

レンタカー/カーシェア

△(未対応サービスあり)

○(従来免許で対応)

海外運転

×

○(従来免許で対応)

有効期限の確認

△(アプリ+読み取り必須)

○(目視)

○(目視)

オンライン講習

○(次回更新から可能)

○(次回更新から可能)

×(一部自治体除く)

暗証番号管理

増える

増える

変わらず

マイナ免許証の一体化は、カード枚数が1枚になることや手数料が最安である点は魅力ですが、紛失時の運転不能期間の長さやレンタカーサービスの利用ができない可能性があるなど、デメリットが目立ちます。

従来免許証のみは、安定していて安心ですが、オンライン講習などの新しいサービスが使えません。免許証紛失時は再発行まで車が利用できないため、移動は大変です。

2枚持ちは、両方の「いいとこ取り」ができるのです。更新料の差額わずか100円と手間という追加負担で、想定されるデメリットを回避しつつ、新しいサービスも利用できます。これが、現時点での最適解なのです。

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「2枚持ち」が最適な人

以下の項目に3つ以上当てはまる方は、迷わず「2枚持ち」を選ぶことをおすすめします。

2枚持ちが最適な人

・ 毎日車で通勤している

・ 仕事で車を使う

・ 家族の送迎が日課になっている

・ レンタカーやカーシェアをよく利用する

・ 海外旅行で運転する可能性がある

運転停止リスクを回避しやすい「2枚持ち」が最適です。

「マイナ免許証のみ」が最適な人

以下の条件をすべて満たす方のみ、マイナ免許証のみの選択肢も検討できます。

マイナ免許証のみが最適な人

・ カード所持枚数を減らしてスマートにしたい

・ 運転頻度は低く、ペーパードライバーに近い

・ レンタカーや海外での運転の予定は一切ない

・ 1週間程度は車なしで生活できる環境がある

リスクを十分に理解した上で、一体化を選ぶのも一つの選択肢です。

「従来免許証のみ」が最適な人

以下に当てはまる方は、無理にマイナ化や2枚持ちする必要はありません。

従来免許証のみが最適な人

・ オンライン講習に魅力を感じない

・ デジタル化に不安や抵抗がある

・ スマホを持っていない、または操作が苦手

従来の免許証のみを継続するのが、今の最適解です。

まとめ:マイナ免許証と従来免許証の「2枚持ち」が最適解

車を日常的に使う人にとって、現時点の最適解は「2枚持ち」です。

マイナ免許証の一体化は、確かに手数料も750円安くなります。しかし、その代償として「紛失時に最低1週間程度の運転停止」などのリスクを背負うことになります。一方、2枚持ちなら、わずか100円の追加投資と手続きの手間で、こうしたリスクを減らすことができます。

マイナ免許証と従来免許証のどちらの利便性も得られるため、2枚持ちは現時点で最もおすすめです。次回の免許更新時、窓口で「2枚持ち希望」と伝えてみましょう。

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