首都圏で震度5強の地震発生! その時、首都高はどうだった!? 2021年10月7日深夜の模様をレポート[クルマ事件簿]
- 筆者: 加藤 久美子
- カメラマン:加藤 博人・MOTA編集部
2021年10月7日(木)22時41分頃、千葉県北西部を震源とする地震が発生した。10月8日午前0時50分の気象庁発表によると、マグニチュード5.9(速報値6.1から更新)、最大震度5強、首都圏を中心に東北地方から近畿地方にかけて震度5弱から1を観測した。緊急地震速報(警報)が発令され、大きな揺れが各地で発生している。
その時、都心と首都圏近郊を結ぶ首都高速道路(通称:首都高)では何が起きたのだろうか。地震発生当日の模様をレポートするとともに、今後もし高速道路上で地震に遭遇した場合はどうしたら良いのかについても、改めてご紹介しておこう。
首都高速道路で大規模な地震に遭遇! 即通行止めに… 走行中のクルマはどうだった!?
2021年10月7日22時41分、首都圏で比較的大規模な地震が発生した(マグニチュード5.9・最大深度5強)。その際に筆者は横浜の自宅にいたが、大学生の息子は友人とお台場に出かけた帰りで、首都高速道路(以下、首都高)1号線を走る車内にいた。
地震発生直後から首都高はほぼ全線通行止めになっていたが、浮島JCTより西側の湾岸線やK1羽田線は走ることができたので、運よく首都高を使って大黒PA経由で帰宅することができた。
地震発生直後、走行中のクルマはどうだった!?
ほとんどのクルマは速度を落として走行していたが、中にはハザードを出して左に寄せているクルマもいたそうだ。また、大黒PAは強い揺れを感じてひとまず退避してきたクルマもいたのだろう、平日の深夜としてはやや多い印象で駐車スペースは約7割が埋まっていたという。
点検やパトロールに向かう首都高の道路維持作業のトラックが4台の車列を組んで出動していくなど慌ただしい動きがあり、神奈川高速隊大黒分駐所のパトカーも出動して、以下のようなアナウンスを行った。
「大型の地震が発生しました。首都高ではこれに伴い各所で通行止めを行っています。早く帰ることをお勧めします」
地震直後の様子はどうだった!? 通行止めはいつ解除した? 首都高に訊いてみた
首都高技術株式会社の道路交通情報サイト「mew-ti(ミューティ)」22時54分(地震発生から12分後)時点での情報を見ると、埼玉・東京・千葉(湾岸)エリアはほぼ全線通行止めになっているが、神奈川エリアは通行が可能となっている。
その後、筆者が確認したところ、8日2時19分の時点では通行止めはすべて解除されていた。
通行止めは何時に解除され、その間、首都高では何が行われていたのだろうか? 首都高速道路株式会社の広報課に聞いてみた。
通行止め全面解除は地震発生後およそ3時間
ー10月7日の地震後、首都高は通行止めになっていましたが、いつ解除されましたか?
全線通行止めが解除となったのが8日午前1時40分で、入り口が開放されたのが同日午前3時です。
ー約3時間の通行止となったわけですが、この間、首都高では何が行われていたのでしょうか?
道路が損傷するなどの異常がないか、安全に通行できるか? などの点検のためです。点検を行い、異常がないことが確認されたので午前1時40分頃に通行止めが解除されました。
ー首都高を走行中に地震に遭遇した場合、どうすればいいのでしょうか?
走行中揺れを感じたら急ブレーキをかけず、ゆっくり減速して道路の左側、または左側に駐車できないときは右側に車を寄せ、警察や消防等の車両が通行できるよう中央部を空けて停車してください。
ラジオをつけるなどして地震や災害の状況、道路交通情報を確認お願いします。また、首都高のパトロールカー等で広報をしながら巡回しますのでその指示に従って行動してください。二次災害を防止するために自分の判断でむやみに行動しないでください。
ー通行止めになるのはどのような地震でしょうか?
首都高速では大地震を想定した業務継続計画を定めており、首都高管内で大地震(震度5強以上と気象庁が発表)が発生すると、入口は閉鎖され通行止めを実施します。安全確認のため直ちに緊急点検を実施しますが、緊急点検には3時間程度かかります。災害時には緊急情報を表示します。
ー通行止めの首都高を降りて一般道に出る場合は?
避難誘導を行います。安全が確認された場合は、確認できたところからパトロールカー等で出入口を案内するなどの誘導を行います。また、首都高速パーキングエリアなど休憩施設にいた場合も同様です。
安全が確認された場合は、確認できたところからパトロールカー等で出入口を案内するなどの誘導を行います。
もし首都高走行中、大規模な地震に遭遇したら!? ドライバーがとるべき行動は「クルマを置いたままただちに避難せよ」
なお、今回の地震では問題なかったが、万が一、車両による高速道路上からの避難が困難または危険な状態となった場合はパトロール隊の指示に従ってクルマを置いたままで避難することになる。
「クルマを置いたままただちに避難」その際の注意点を覚えておこう
その場合の注意点としては、
・キーは車内に置いたままにする。
・窓ガラスはしっかり閉める。
・貴重品は必ず持ち出す。
・連絡先を書いたメモを残す。
・ドアはロックしない。
以上が必須となっている。
これは、災害対策基本法の一部改正(2014年11月)により、首都直下地震など大規模災害時に警察、消防、自衛隊等の通行路を確保するため首都高を利用中の一般車を移動する措置が取られる場合に備えるためだ。
地震発生から1週間は同程度の余震が発生する可能性も大きい。首都高速を走行中、大地震に遭遇した場合のドライバーがとるべき行動を覚えておこう。
道路交通情報アプリなどを有効活用し最新情報を手に入れよ
なお、通行止めなどの情報は随時、道路上の交通情報掲示板などで情報が流されるが、首都高専用の道路交通情報アプリ「mew-ti(ミューティ)」(https://search.shutoko-eng.jp/app.html)の利用をお勧めする。
もっとも正確でもっとも早い情報を得ることができる。
[筆者:加藤 久美子/撮影:加藤 博人・MOTA編集部]
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