ジャガー Fタイプ V8R AWD・V6S 6MT 海外試乗レポート ～Fタイプ最速の4WDモデルに加え、6MTモデルも登場～(1/2)

ニューヨークでジャガー Fタイプの“新たな魅力”を探る！

Fタイプは、ジャガーにとって久方ぶりの2シーター・ピュアスポーツカーで、ジャガーファンや英車党のみならず世界中の多くのスポーツカーマニアから注目を集めている。

ジャガー Fタイプは2013年、まずコンバーチブルでスタート。余談だが、最近の新型スポーツカーはこのパターンが多い。主要なマーケットであるアメリカ西海岸を意識したのだろう。スーパーチャージャー付5リッターV8と、同じくスーパーチャージャー付3リッターV6という2種類のエンジンを用意した。

そして翌年には、美しいクーペモデルを追加。これでひと段落かと思いきや、ジャガーはさらなるサプライズを用意してくれていた。AWD（4WD）仕様と、6速マニュアルトランスミッション仕様の追加である。

ニューヨークを起点に開催された国際試乗会にて、Fタイプの新たな魅力を探ってみた。

FRでは気を使いそうなセミウェットであったが・・・

まずはAWDモデルから。日本市場ではクーペのV8Rにのみ設定されるが、本国にはRコンバーチブルにも、そしてハイパワー版V6のSにも用意されている。

外観から、エンブレム以外でAWDモデルか否かを見分ける方法がある。それは“フロントフード”。やや盛り上がっているのは分かりづらいとしても、エアアウトレットの位置がFRとは違っている。

4WDシステムは自社開発の電子制御式で、リアのスリップを感知したら必要に応じてフロントへトルクを分配する。重量増はわずかに80kg。8速ATとの組み合わせで、0-100km/h加速「4.1秒」は、Fタイプ最速である。

まずは公道で試す。

“運良く”路面は荒れた舗装路のセミウェット。FRのV8Rなら神経を使いそうなコンディションだったが、たとえば交差点を曲がってフル加速に移るような状況でも、4WDシステムのおかげで後輪のブレーク寸前に車体ががっちりと制御され、望みの方向へと難なく進んで行ける。

MY16から全てのFタイプにジャガー初となるEPAS（電動アシストパワーステアリング）が採用されているが、これがかなりニンブルなセッティングだった。

ドライ路面で前アシがまるで4WDとは思えないさばきをみせ、時に敏感過ぎると思うほど。AWDモデルはフロントのスプリングとブッシュが固められているから、余計にそう感じるのだろう。