THE NEXTALK ~次の世界へ~ 本田技術研究所 渡邉生 主任研究員 インタビュー(4/5)

THE NEXTALK ~次の世界へ~ 本田技術研究所 渡邉生 主任研究員 インタビュー
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このエンジンはライフワーク

複リンク式高膨張比エンジンの開発は、2005年に終わっている。以後は、量産化へ向けた開発へ手が移り、渡邉のもとを離れる。とはいえ、オブザーバー的に、量産へ向けた作業を手伝い、このたびいよいよ市販されることとなった。

この成果を渡邉生は、純粋に「嬉しい」と語る。

THE NEXTALK ホンダ 渡邉生 インタビュー

【渡邉生】部品担当という立場では、他にも商品化されたエンジンがあります。しかし、エンジン全体の開発責任者として商品化されたのは、この複リンク式高膨張比エンジンが初めてですから、達成感が違います。しかも、開発をしてくるうちに、この複リンク式高膨張比エンジンは、単気筒の汎用エンジンで使われる状況に適した燃費技術であることがわかりました。

THE NEXTALK ホンダ 渡邉生 インタビュー
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汎用エンジンは、必要とされる用途に合った馬力を得るため、排気量で性能を調整するところがあります。つまり、アクセル全開とまではいかなくとも、高回転でエンジン負荷の高い状態で連続して使われることの多いエンジンです。

クルマやバイクのように、回転を頻繁に上げ下げし、一定速度で走るときにはエンジン負荷が低くなる(トランスミッションで変速することで回転を下げて走る:筆者注)という使われ方とは異なります。そういう汎用エンジンの燃費を飛躍的に改善するには、複リンク式高膨張比エンジンが向いています。

もちろん、一般的な通常のエンジン形式でも、まだまだ燃費を改善する余地や技術はあると思います。ですから、汎用エンジンを一遍に全部これに替えることはないにしても、いずれはすべて複リンク式高膨張比エンジンにしたいというくらい、この仕事が私のライフワークのようになっていますね。

4輪車とは違うアプローチでエンジンを作ってみたかったと、渡邉生は言う。ハイブリッドカーなどを中心に、ミラーサイクルと言って、吸気バルブの開閉時期をズラすことで、高膨張比エンジンを実現することは行われている。

対して、クルマやバイクという移動体ではなく、定置型で使われる汎用エンジンには複リンク式高膨張比エンジンの特徴が活きる実態とともに、他の人とは違った仕事をしたいと思うホンダ流の意気込みが渡邉の発言にのぞく。

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【渡邉生】複リンク式高膨張比エンジンを使ったEXlinkの発売が個人的に嬉しいだけでなく、世に出た限りは、多くの人に使ってもらいたいと願っています。環境への貢献という点では、たくさん使われてこそ、はじめて貢献したと言えることになるでしょうから。

まだ発売されて間もないですが、お客様の声を早く聞きたいですね。良かったところ、困っているところ…それが次への糧になっていきます。

2輪・4輪・汎用で使われるエンジンを合計すると、世界一のエンジンメーカーと言われるホンダだけに、エンジンに対する社員のこだわりはやはり強いのだろうか?

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【渡邉生】新しいエンジンと聞けば、部品が出来上がって組み立てる段階になると外野が集まってきて、「なぜもっと削らなかったんだ」とか「部品点数が多いのではないか」といった批評が、周りから次々出てきます。研究所の人はエンジンへの関心が非常に高いんですね。 ですから、最初に試作したエンジンのときは、誰にも見られないように隠れて組み立てました(笑)。

複雑なリンク機構があることから、口の悪いエンジニアには「クランクが2回転しないんじゃないか」とまで言われていました。もちろん、それに対して「なにクソ」という思いで、私は開発していました。

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御堀 直嗣
筆者御堀 直嗣

1955年東京出身。自動車ジャーナリスト。玉川大学工学部機械工学科卒業。1978年から1981年にかけてFL500、FJ1600へのレース参戦経験を持つ。現在ではウェブサイトや雑誌を中心に自動車関連の記事を寄稿中。特に技術面のわかりやすい解説には定評がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。また現在では電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副会長を務める。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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