ホンダがF1界でも“ちょうどいい”を実行!日本GPへ向けジワリ進化中(1/2)
- 筆者: 山口 正己
- カメラマン:本田技研工業/メルセデス・ベンツ
今年のホンダは“質”が高いレース
7月24日に行なわれたハンガリーGPは、ブダペスト郊外のオンガロリンク・サーキットがホンダにとってゲンのいいコースであることを証明した。
ハンガリーGPといえば、第三期ホンダF1時代の2006年に唯一の優勝を飾った記念すべきレースだが、去年は、大荒れのレースでフェルナンド・アロンソが5位、ジェンソン・バトンが9位のダブル入賞を決め、そして今回、バトンはリタイアしたものの、初めて2台がQ3に進出、フェルナンド・アロンソが、メルセデス、レッドブル、フェラーリのトップ3に続く7位に食い込んだ。
成績だけでみればダブル入賞だった去年の方がいい。だが去年はメルセデスの2台を含み、不安定な天候でレースが乱れて力を出せないマシンが多かったが、今年は、メルセデス、レッドブル、フェラーリが6位までに並んで、その後ろがマクラーレン・ホンダだった。今年の方が“質”が高いレースだった。
セカンドグループの先頭でマクラーレン・ホンダはゴールした。上がつぶれて、というタナボタではなく、実力で奪った7位。復帰2年目にして、マクラーレン・ホンダは間違いなく進化している。いかに進化したかは、去年と今年の予選/決勝の成績をみれば一目瞭然だ。
今年すべての面で明らかな進化がわかる
フェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンの入賞数を見ると、2015年が20戦で合計6回だったのに対して、今年は11戦終了時点ですでに8回。リタイアも11戦終了時点で比べると、去年が9回、今年は6回に減っている。
11戦終了時点の予選結果も、2015年の平均15.8位から今年は平均11.5位。明らかな進化がわかる。
レースはさまざまな要素が入り込んでくるけれど、予選は7月3日のオーストリアGPのように雨に攪乱されなければ、順位がそのままマシンポテンシャルと言っていい。
そのオーストリアでジェンソン・バトンの5位(上位2台がペナルティを食らったので3番手グリッド)は、天候を読み切って最後にアタックしたバトンの老練なカンが大当たりし、リスキーな路面で一発を決めた結果だった。しかし、マクラーレン・ホンダがいざというときにプッシュできるクルマになっている証拠だった。
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