ホンダ 新型ジェイドRS試乗レポート|5人乗りになったスポーティ大人ワゴン(1/2)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:茂呂 幸正
「隠れた名車」ホンダ ジェイドRSの5人乗りバージョンに試乗!
ホンダは2つの顔を併せ持つメーカーだ。
一つはF1やタイプRが連想させるスポーツカーメーカーとしての顔。もう一つは、低床低重心なクルマづくりを生かして実用空間を確保する、優れたパッケージング技術だろう。
エポックメイキングなモデルを登場させて世間をアッと言わせてきたホンダだが、このところ、車名を耳にしてもイメージが湧きにくいモデルがあったりする。まさに、そんな「隠れた名車」のひとつが「ジェイド」だと思う。
2015年にデビューを飾ったジェイド。繊細に描かれたワゴンモデルのスタイリングは、大人に似合う洗練性と上質さを備えたモデルとして魅力的に映った。そのパッケージは一般的な機械式駐車場に収まる低めの全高(1530〜1540mm)に2座×3列のシートを備えた6人乗りの設定。背高系のミニバンに回帰した「オデッセイ」や、すでに生産中止となった2列シートで5人乗りのワゴン「ストリーム」のユーザーを拾い上げる使命を背負う立場であることを認識させた。
ホンダの二面性をうまく融合した大人なデザイン
そんなジェイドも登場から3年が経過したタイミングでマイナーチェンジ。
気になる変更点としては、スポーティな仕様の「RS」が、これまでの3列6人乗り仕様から、2列5人乗りに変更されたことだろう。ワゴンモデルとして、2列+αの荷室空間がもたらす実用的なスペースを確保しているのはもちろんだが、ジェイドがもつ洗練性と、RSに期待を寄せるホンダのスポーツ性を如何に融合させているのか、気になるところだ。
今回の試乗車のボディカラーはプラチナホワイトパールだが、陽の光がキャラクターラインの陰影をほのかに立体的に映し出して上品な表情をもたらしているほか、ブラックアウトしたルーフとドアミラーの2トーンカラーが生み出すコントラスト、力強い走りを印象付けるRS専用のメッシュグリルが相まって、クールなキャラクターを演出している。
足下に目を向けると、18インチのアルミホイールにはダークメタリック塗装が施されていて、安定感のある構えと頼もしさが表現されている。大人に似合うスポーツ性をスマートに表現しているあたりがいい按配だ。
意外に開放感のある内装はハイクラスな仕上がり
スタイリッシュな外観とはうらはらに、車内はパノラミックなガラスエリアが確保されていて、その見晴らしの良さに驚かされた。全高が抑えられている分、ヒップポイントは低めの設計といえるが、傾斜したフロントウインドウの面積が広く取られた効果で、室内が明るい雰囲気になっている。背が高めのミニバンから乗り替えても閉塞感を感じにくく、自然な感覚で乗り換えられそうだ。
家族や友人を乗せて出掛けるクルマとして捉えれば、後席の居心地も気になるところ。膝周りについては、大人が座って足を組めるだけの十分なスペースが確保されているし、頭上には、身長162cmの私であれば、ゲンコツ2.5個分のゆとりが得られる状態だ。
荷室フロアは荷物をサッと積み込みやすい低めの設計で、床下にはちょっとした小物を収納できるだけの収納スペースが用意されている。清掃グッズなど、かさばる小物や目に触れさせたくないものを常備するのに重宝するだろう。後席は6:4の分割可倒式のベンチシートを採用。大きな荷物を積みたい時など、シーンに応じてアレンジできる。
スポーツモデルの「RS」は、その名に相応しくインテリアも特別仕立てになっている。インパネやドアには、カーボン調のパネルが装着されたほか、オレンジのステッチをあしらった本革巻きのステアリングホイールは、車格のわりに小ぶりなもので、手を添えやすい形状になっている。
スポーツタイプのシートは、お尻と背中を支える部分に身体に馴染むラックススエード、サイドサポート部にプライムスムースと呼ばれる滑らかな肌触りの素材を組み合わせたもの。
さらに、運転席と助手席の間には高級車の様なアームレストを配置。2列仕様の後席にはセンターアームレストが内蔵されているほか、座面に反転テーブルが組み込まれていて、ドリンクや小物が置けるといった工夫も施されている。3名ないし、4名乗車でドライブする上で重宝しそうなアイテムだ。
さらに驚かされたのは、パワーウィンドウが開閉する所作の洗練ぶり。閉まり際の動きが丁寧なだけでなく、車外の音の遮音性が高い。まるで高級セダンに乗っているような錯覚に陥った。
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