ホンダ フリードスパイク 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 清水 草一
- カメラマン:島村栄二
フリードスパイクは男の願望「秘密基地」を満たしてくれる!
フリードスパイクは、パッと見、フリードのカスタマイズバージョンという風情である。
顔つきはちょいエルグランドが入り、シートが2列化されたのに合わせて、サイドウィンドウ後端がはめ殺しのパネルになっているのが目につく。
このクルマのキモというかウリは、なんと言っても2列目シートから後ろのスペースの使い勝手である。リヤシートは、ダイブダウンの6:4分割可倒式。カーゴ側からもレバーひとつで簡単に床上収納できる。そのままだと、セカンドシート上とカーゴには段差ができるが、そこで開発されたのが「反転フロアボード」。
通常はセカンドシート裏との間をスロープでつなぎ、上下高を確保しつつ自転車などの積みこみをラクにする。フルフラットにしたければ、グリップを握って裏返しにすればいい。
さすれば最長2,015mmのフラットスペースが出現し、大人ふたりが余裕を持って車中泊できるのです。
と言っても、そのまんま床に寝っ転がると背中が痛いですよ。何かマットを敷きましょうね。
それと、それと2,015mmというのは助手席を一番前にスライドさせた時の数値で、車中泊時はフルに使おうとすると枕が下に落っこちちゃうんで、実質的には身長175センチの不肖ワタクシで、ちょうどピッタンコに足を伸ばせる長さでした。
でもまあ、日本人の7割以上は完全に足を伸ばして寝られるはず。これはスバラシイ!
反転フロアボードは実にシンプルな構造だけど、実に偉大な発明である。
私もこの車中泊スペースを見て、猛烈に車中泊がしたくなってきた!個人的に過去何度か車中泊の経験を持っておりますが、体を伸ばせないのってツライっす。その点コイツは超絶快適に過ごせそうじゃないか!
左右には棚やビルトインテーブルも如才なく装備されてるし、男の秘密基地だよこれは!こんなんで全国の秘境や山城を巡ってみたいぞ!
実は車中泊で問題になるのは「蚊」だ。夏の車中泊は暑い。エンジン掛けっぱはイカンから、窓は開けて寝たい。しかし開けっぱだと蚊が来襲する。これは怖い。
その点もフリードスパイクは抜け目ない。ちゃんと純正の網戸を用意してくれている。後席サイドウィンドウの日よけも兼ねた優れモノだ。これなら夏の車中泊も怖くないぞ。
もちろんフリードスパイクは車中泊専用車ってわけじゃなく、いろんなモノを積みこめて、使い方は自由自在です。
しかし個人的には、車中泊関連が猛烈にグッと来たぜ。ブームだしな。
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