豊富な機能に割安な価格・・今度の新型フリードは“買い”だ!【徹底解説】(3/3)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
ノーマルエンジンとハイブリッドではどちらが良い?
次はノーマルエンジンとハイブリッドの選択を考える。ノーマルエンジンを搭載したフリードGホンダセンシングとフリードハイブリッドGホンダセンシングの価格を比べると、後者が39万6000円高い。
ただし後者にはLEDヘッドライトとカーブを曲がる方向を照らすアクティブコーナリングライト(セットオプション価格は7万200円)、ナビ装着用スペシャルパッケージ(同4万3200円)が標準装着され、これらを差し引くとハイブリッドとノーマルエンジンの実質価格差は28万2600円に縮まる。このハイブリッドの価格は、40万円前後の相場に比べると割安だ。
それでも今はレギュラーガソリンの価格が120~125円前後と安く、28万2600円の実質価格差を燃料代の差額で取り戻すには10万km以上の走行を要する。
従って走行距離の短いユーザーにはハイブリッドを推奨しにくく、一般的な選択はノーマルエンジンだ。
ただし1年間に1万5000km以上を走る使い方ならハイブリッドを選ぶ価値が高まる。ハイブリッドには低回転域で巡航している状態からの加速が滑らかになったり、数年後の下取査定額が上乗せされるメリットもあり、走行距離が伸びる場合は積極的に検討すると良い。
フリードハイブリッドを選ぶ際の注意点
ハイブリッドで注意したいのは、試乗記の項目でも述べているようにリチウムイオン電池と制御機能を1列目シートの下側に搭載するため、2列目の床が少し高いことだ。
2列目に座った乗員の足が1列目の下側に収まりにくく居住性が少し悪化する。
またハイブリッドのATは有段式の7速DCTだからパドルシフトが欲しい。現状ではエンジンブレーキを使いたい時にDレンジからLレンジにシフトすると、走行状態によってはギヤが大幅に下がって制動力が強く利きすぎることがある。
その点でパドルシフトがあれば、ギヤの細かな調節をしやすい。このあたりは今後の課題だが、販売店の試乗車などで実際に確認したい。
グレードはフリード、同プラスともにノーマルエンジンがB/G/Gホンダセンシング、ハイブリッドがB/G/Gホンダセンシング/ハイブリッドEXを用意する。
これらの内、最も買い得なのはすべての仕様にわたって「Gホンダセンシング」だ。
ノーマルエンジンの場合は12万円の価格上昇で、高機能なホンダセンシングに加えて右側スライドドアの電動機能(オプション価格は5万4000円)も加わるため、実質6万6000円でホンダセンシングが装着される。これは安全性の向上を考えるとかなり安い。
Gホンダセンシングの車両価格は、フリードのノーマルエンジンを積んだ2WDの6人乗りが210万円、ハイブリッドは249万6000円。フリードプラスの2WDは212万円/251万6000円となる。Gホンダセンシングを選び、必要に応じてオプションを装着したい。
ハイブリッドEXは、ハイブリッドGホンダセンシングに、サイド&カーテンエアバッグ(オプション価格は4万8600円/3列シート用)、アルミホイールなどを含むSパッケージ(同7万200円)、コンフォートビューパッケージなどを含むCパッケージ(同4万8600円)を始めとして20万円相当の装備を加え、価格上昇は16万円に抑えた。
プラスされる装備に魅力を感じるユーザーには、ハイブリッドEXも買い得だ。特にハイブリッドGホンダセンシングに複数の装備をオプションで加える時は、ハイブリッドEXにグレードアップした方が割安になる。
コンパクトミニバンのフリードでは、機能に対して価格を割安に抑えたことも大きな魅力だ。だから走行距離に応じてノーマルエンジンとハイブリッドを選び、オプションも厳選して装着して欲しい。
ステップワゴンに比べると40~50万円は安く手に入る。そしてファミリーカーとして使うなら、試乗は家族全員で行いたい。乗り心地やシートの座り心地は人によって感じ方が異なり、後席の快適性は家族にチェックしてもらうと合理的だ。
試乗する時からフリードを楽しんで欲しい。
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