7人乗りSUV対決!マツダ CX-8 vs トヨタ ランクルプラドどっちが買い!?|3列シートSUVは本当に“買い”なのか?徹底比較!(1/2)

国産7人乗りSUV対決!

マツダ CX-8は、CX-5の上級に位置するSUVだ。エンジンは直列4気筒2.2リッターのクリーンディーゼルターボを搭載して、ミニバンのように3列目のシートも備える。マツダにはプレマシーとビアンテというミニバンがあるが、近々販売を終える予定だ。CX-8のボディはプレマシーやビアンテに比べると大幅に大きく価格は2倍近くに達する。従ってCX-8がミニバンの後継車種にはなり得ないが、マツダとしては7人乗りの3列シート車を存続できる。

そしてCX-8のライバル車がトヨタ ランドクルーザープラドだ。CX-8は前輪駆動をベースにしたシティ派SUV、ランドクルーザープラドは後輪駆動ベースのオフロードSUVだから車両の性格は異なるが、両車ともに7人乗りの3列シート車を用意してクリーンディーゼルターボを搭載する。そこでこの2車種を比べたい。

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CX-8 vs ランクルプラド|デザイン・ボディサイズ比較

マツダ CX-8のボディサイズは全長が4900mmで全幅が1840mm、全高は1730mmとなる。トヨタ ランドクルーザープラドは全長が4825mmで全幅は1885mmだから、CX-8に比べると75mm短くて45mmワイドだ。

全高は1850mm(TZ-Gは1835mm)だから、CX-8に比べて100mm以上も背が高い。ホイールベースはCX-8が2930mmで、ランドクルーザープラドの2790mmに比べると140mm長い。全長も75mm上まわるが、ホイールベースの違いはそれ以上だ。

ボディサイズの違いはデザインにも影響を与えた。CX-8は背は低いが、ホイールベースが長いため、“魂動デザイン”による長いボンネットと相まって外観の見え方がワゴンに近い。

対するランドクルーザープラドは、背の高いオフロードSUVの典型的なデザインだ。最低地上高はCX-8が200mm、ランドクルーザープラドは220mmで少し余裕があり、外観の見え方が少しクラシックに感じられる。

マツダ CX-8とトヨタ ランドクルーザープラドのボディサイズ比較
車種名マツダ CX-8トヨタ ランドクルーザープラド

全長

4,900mm

4,825mm

全幅(車幅)

1,840mm

1,885mm

全高(車高)

1,730mm

1,850mm

ホイールベース

2,930mm

2,790mm

乗車定員

7人・6人

7人・5人

CX-8 vs ランクルプラド|視界・運転のしやすさ比較

マツダ CX-8とトヨタ ランクルプラドは、前方の視界に大差はないが、側方と斜め後方はプラドの方が見やすい。ボディ形状も直線基調だから四隅の位置が分かりやすく、これらの特徴が悪路での運転のしやすさにも結び付いている。

最小回転半径は両車ともに5.8mで少し大回りだ。横と後ろの視界の良さを考えると、ランドクルーザープラドの方が取りまわし性は優れている。

勝者:トヨタ ランドクルーザープラド

CX-8 vs ランクルプラド|内装デザイン・質感比較

マツダ CX-8のインパネはCX-5に準じたデザインだが、メッキパーツを増やすなど上質に仕上げた。カップホルダーと併せて装着されるアームレスト付きの大型コンソールボックスは、左右に分割して開閉するタイプで見栄えも良い。車内の装飾類も上質に仕上がっている。

一方、トヨタ ランドクルーザープラドも2017年9月にマイナーチェンジを実施して、インパネのデザインを刷新。副変速機や悪路の走破力を高めるクロールコントロールの切り替えスイッチを変更して、操作性と質感を向上させた。

ただし現行ランドクルーザープラドが発売されたのは2009年だから、全体的な造形の古さは否めない。シンプルなインパネは、左右に激しく揺すられる悪路での操作性に配慮したものでもあるが、一般的には設計の新しいCX-8の方が上質に感じられるだろう。

勝者:マツダ CX-8

CX-8 vs ランクルプラド|前後席の居住性比較

1列目と2列目の居住性・乗り心地比較

1列目(運転席・助手席)は両車とも快適に仕上げた。肩まわりのサポート性はマツダ CX-8が少し優れているが大きな差はない。

差が付くのは2列目で、マツダ CX-8では後端までスライドさせると足元空間が大幅に広がる。身長170cmの大人4名が乗車して、2列目に座る乗員のヒザ先空間は握りコブシ3つ弱に達する。床と座面の間隔も十分に確保されているため、CX-82列目の快適性はSUVの中では最高峰と言えるだろう。

7人乗りのグレードを選択すると、2列目がミニバンのようなセパレートタイプになる。さらに、最上級の“XD・Lパッケージ”では、中央部に1列目と同様のアームレスト付きコンソールボックスが装着される。

一方、トヨタ ランドクルーザープラドは悪路の走破力を重視したフレーム構造のボディを備えて床が高い。そのために2列目の床と座面の間隔が不足しており、座ると膝が持ち上がりやすい。

7人乗りのグレードを選択すると、2列目にはスライド機能が装着される。2列目を後端まで寄せると、ヒザ周りは握りコブシ2つ半に達するから窮屈ではないが、居住性はCX-8の方が優れている。

勝者:マツダ CX-8

3列目の居住性・乗り心地比較

3列目の居住性は、両車とも2列目には及ばない。

CX-8も背の高いミニバンのようなフラットフロア構造ではないから、燃料タンクが3列目シートの下に来てしまい、床が高くなっている。大人が座ると膝が持ち上がって窮屈だ。つまり3列目の乗り心地は良くない。2列目のスライド位置を握りコブシ2つ分まで詰めれば、3列目の膝先空間は握りコブシ1つ少々になる。

ランドクルーザープラドの3列目は、CX-8以上に床と座面の間隔が不足している。1列目・2列目のスライド位置をCX-8と同等に合わせると、ランドクルーザープラドの方が3列目の膝先が少し狭い。

勝者:マツダ CX-8

CX-8 vs ランクルプラド|乗降性比較

トヨタ ランドクルーザープラドは最低地上高に220mmの余裕を持たせ、耐久性の高いフレームにボディを架装する構造を採用したから、床の位置が高い。これは悪路の走破力が優れているオフロードSUVの特徴だ。

乗り降りのしやすさという面では、床が低めに設定されているマツダ CX-8のほうが優れている。

勝者:マツダ CX-8

CX-8 vs ランクルプラド|荷室比較

マツダ CX-8、トヨタ ランドクルーザープラドともに、2列目・3列目シートの背もたれを前側へ倒すと、荷室の床面積を拡大できる。2名乗車時には、車内の中央から後部をフラットな空間に変更することが可能だ。

この機能はほぼ同じだが、CX-8は荷室の床が低いから、ランドクルーザープラドに比べると荷物を積む時に大きく持ち上げる必要がない。

この点ではCX-8の使い勝手が優れるが、ランドクルーザープラドでは、リヤゲートに装着されたリヤウインドーが開閉可能な構造になっている。リヤウインドーの位置が少し高いことは気になるが、リヤゲートの開閉が困難な狭い場所でも荷物の出し入れが行える。

勝者:トヨタ ランドクルーザープラド

CX-8 vs ランクルプラド|エンジン・動力性能比較

トヨタ ランドクルーザープラドは、2.8リッターのクリーンディーゼルターボと直列4気筒2.7リッターのガソリンエンジンの2種類を用意している。一方マツダ CX-8は2.2リッターのクリーンディーゼルターボのみを搭載するので、比較は両車ともディーゼルエンジンで評価する。

ディーゼルらしい実用回転域の力強さはランドクルーザープラドが勝る。1200回転付近でも十分な駆動力が発揮されて粘りがあり、アイドリングに近い低回転域でもトルクの落ち込みがほとんど発生しない。

CX-8も実用回転域の駆動力が高く、高回転域の吹き上がりは活発だが、ディーゼルらしい中/低回転域のエンジン特性はランドクルーザープラドの方が力強い。

勝者:トヨタ ランドクルーザープラド

CX-8 vs ランクルプラド|走行安定性比較

舗装路での安定性

舗装路の安定性はマツダ CX-8が勝る。ハンドルを切り始めた時の反応が正確で、背の高いSUVであることを意識させない。操舵角に応じて確実に曲がるから峠道も走りやすい。後輪の接地性も高く、運転感覚はマツダ アテンザワゴンに近い。

トヨタ ランドクルーザープラドは悪路向けのオフロードSUVだから、操舵感をあえて少し曖昧にしている。峠道などでは、操舵してから車両が向きを変えるまでに少し時間差があり、カーブを曲がり始めた後も旋回軌跡を拡大させやすい。

それでもこの反応の遅れを見越してハンドルを少し早めに切り込めば、峠道でもさほど不都合を感じない。これはオフロードSUVを操るコツともいえるだろう。

そしてランドクルーザープラドの運転感覚は、オフロードSUVの中では舗装路での安定性が優れた部類に属する。それでも舗装路向けに開発されたCX-8にはおよばない。

勝者:マツダ CX-8

悪路での走破力比較

CX-8は、前輪駆動をベースにしたSUVの中では悪路の走破力が高い。4WDは電子制御式の多板クラッチによって前後輪の駆動力を配分するが、さまざまなセンサーを使って予兆制御を行い、路面の状況を的確に検知する。

そのために滑りやすい路面で坂道発進をする時などは、予め多板クラッチがロックされて前後輪が直結に近い状態になり、前輪を空転させずに発進できるのだ。

しかしランドクルーザープラドはサスペンションのセッティングが根本的に異なり、伸縮性が優れているから、デコボコの激しい路面でも駆動力の伝達効率が高い。ボディの下まわりも悪路で擦りにくい形状だ。

4WDには前後の駆動系を完全に直結できるロックモードが備わる。さらに砂地などの抵抗が高い場所を走破するために、駆動力を高める副変速機も装着した。ランドクルーザープラドは本質的に悪路を走るためのクルマだから、走破力は大幅に優れている。

勝者:トヨタ ランドクルーザープラド

CX-8 vs ランクルプラド|乗り心地比較

CX-8はマツダの最上級車種とあって快適な乗り心地に仕上がっている。長いホイールベースも有利に作用して、路上の細かなデコボコを伝えにくい。

一方、トヨタ ランドクルーザープラドの足まわりもオフロードSUVらしく柔軟に伸縮して快適だが、路面の状態によっては細かな振動が伝わりやすい。

乗り心地についてもCX-8とランドクルーザープラドでは質が異なるが、一般的にはCX-8の方が快適だ。

勝者:マツダ CX-8

CX-8 vs ランクルプラド|燃費性能・エコカー減税比較

JC08モード燃費はマツダ CX-8が17km/L、トヨタ ランドクルーザープラドは売れ筋グレードが11.8km/Lとなる。エンジンの設計が新しいCX-8が有利だ。両車ともにクリーンディーゼルターボを搭載しているので、エコカー減税は免税になる。

勝者:マツダ CX-8

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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