ハイブリッド高級サルーン 徹底比較(4/4)

ハイブリッド高級サルーン 徹底比較
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現行のクラウンのメインはハイブリッド

走行走行

「いつかはクラウン」――25年前の7代目クラウン発売時の有名なキャッチコピーが示すとおり、クラウンは憧れのクルマの象徴的存在であった。時代が変わり、セダンの市場が衰退しても、クラウンはむしろ自らの地位を引き上げることに成功し、好調な販売を見せている。モデルチェンジ直後の2008年3月には1万2000台超を売り上げて月販4位となり、以降も3~4位に名を連ねた。憧れのクルマはいつしか、日本でもっとも売れるセダンになったのだ。

その傍らで、クラウンは保守的なイメージを持ちつつも、実は革新的な側面を多分に持っている。従来の11代目クラウンの際にも簡易的な「マイルドハイブリッド」という仕様があった。もちろん今回のハイブリッドとはまったくの別物である。

開発責任者が「新型クラウンのメイン」と言い切るハイブリッドは、走りがよく、かつ燃費がよく、静粛性にも優れる「クラウンの走りの集大成」というモデルである。高級かつスポーティで、燃費にも優れるという、マルチなサルーンを追求している。

TFT液晶画面のファイングラフィックメーターや、EVドライブモードの設定など、ハイブリッドの高級サルーンが世に出てから短期間に、これほど進化するものだと感心させられた。

独自性は強みだが、洗練が課題か

走行走行

日本市場のこのセグメントでは、輸入車ではメルセデスやBMW、国産車であれば、クラウンを買うのが定番になっていると思う。レクサスはそれなりにブランドイメージづくりには成功していると思うが、ライバルは非常に強い。クラウンにもハイブリッドが追加されたことで、「GSにはハイブリッドがある」という強みも少々薄れた。

ドライブフィールは、ハイブリッドを動力性能に使うとこうできる、という可能性をユーザーに知らしめるべく、やや過剰演出気味に味付けされている。刺激的な加速感は、最初のうちは楽しい。しかし、しばらく乗ると飽きてくるのも正直なところではある。

初出しのハイブリッド高級サルーンとしては、完成度はそれなりに高かったと思われるが、こうして後発の完成度の高いクルマが出てくると、現時点では荒削りに感じられる部分が少なからずあるのも否めない。

ハイブリッドシステムを搭載すること、それによる加速や燃費など、ハイブリッドであること自体がライバルに対する差別化でありアドバンテージだったが、さらなる洗練に期待したいと思う。

積極的に乗りたくなるドライブフィール

走行走行

LSの場合、クラウンやGSよりも、ガソリンエンジン車とハイブリッド車の明確な差別化が図られている。そして、現時点で世界で唯一のプレステージサルーンであり、ショーファードリブンとしても使えるハイブリッドカーである。

ベース車の走りについても、クラウンやGSよりも滑らかで、静粛性を極めているので、その持ち前の味を活かしつつ、そのままハイブリッドの魅力が追加された仕上がりである。

GSがEクラスや5シリーズがライバルなら、LSはSクラスや7シリーズがライバルとなる。そのとき、とくに日本の都市部のような交通状況下では、燃費もだいぶ優位だろう。しかし、このクラスのユーザーが、本気で燃費を考えて、このクルマを買うとは思えない。逆に、もともとのスムーズな走りにプラスされる、ハイブリッドならではの湧き上がるトルク感がある。つまりこのクルマは、乗せてもらう人にとって快適なだけでなく、ドライバーにとっても積極的に運転したくなる味があるのだ。前記のライバルに対しても、燃費でもとをとるハイブリッドではなく、そのドライバビリティを味わうためのハイブリッドとして捉えていいと思う。また、それらライバルや、LSのガソリンエンジン車に対しても、AWDである点も大きな特徴である。

ただし、宿命であるが、ボディサイズのわりにラゲッジルームが小さいことは、このクラスでは少々痛い。逆に、このクラスのセダンながら中型SUV並みに重くなった車両重量も課題だろう。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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