休日の高速道路を走ったり、ショッピングセンターの駐車場に乗り入れると、ミニバンが多いことに気付く。今やすっかりファミリーカーを代表する存在になったミニバン。
ただし、ミニバンも普及を開始してから約15年が経過して、売れ筋がハッキリしてきた。全高が1680mmを超えてスライドドアを備えたフラットフロア構造のミニバンが売れ筋となり、背の低いミニバンは販売が伸び悩んでいる。「大勢乗せて、たくさん積む」というニーズのあるユーザーしか買わなくなったのだ。
ならば、背の低いミニバンのユーザーはどのジャンルに移ったかといえば、コンパクトカーや軽自動車だ。小さなクルマに代替えする「ダウンサイジング」が進んでいる。
このように客観的にとらえると、「日本のクルマは実用的で趣味性に欠けるなぁ」と思うが、実際はそうでもない。一見すると実用指向のクルマにも、趣味性は深く根付いている。趣味性のあり方が、運転を楽しむスポーティセダンやクーペとは違うだけだ。
空間効率の優れた背の高いミニバンで、趣味性を強く感じさせるのが、今回取り上げるLサイズのミニバンだろう。
ホンダ オデッセイ/日産 エルグランド/トヨタ アルファードハイブリッドの3車種は、いずれも車内が広くて快適。Mサイズミニバンに比べると3列目の居住性も優れ、多人数で快適に長距離を移動できる。3列目を畳めば、荷室が広くなって荷物も積みやすい。
これらの実用性を備えた上で、内装はLサイズセダン風で豪華に仕上げた。装備も充実して「高級なクルマに乗っている」気分を味わえる。着座位置が高いから、同乗者も周囲の風景を見渡しやすい。「お父さん、このクルマを買って良かったね」と、家族の笑顔が見られることも、Lサイズミニバンの魅力だろう。
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