フェラーリ F430 新型車解説

F1のテクノロジーの塊である市販車

2004年パリモーターショーに公開された、フェラーリの「F430」。日本では5月にデリバリー予定となっている。

丸型４灯テールランプはそのままの個性的なリアスポイラーのデザイン。リアディフューザーとエギゾーストの存在感は、機能性はもちろん運転への期待を抱かせる。そして特徴的なサイドミラー。これは、リアのエアスクープへと空気の流れを導くよう計算されたツイン・マウンティング・アーム・ウイングミラーである。足元は新設計の19インチホイールを履かせている。

インテリア面では、シートはもちろん新設計のフルレザーシート。そして、ステアリング背面のパドルでシフト操作を行うF1タイプのギアボックス。ステアリングに取り付けられたトラクションを総合的に制御するコミュータースイッチ(Manettino)。そして、巨大なトルクを理想的なトラクションとして路面に伝える独自のエレクトロニック・でファレンシャル(E-Diff)。いずれも市販車として初めて採用された機能である。

そしてエンジン。リッターあたり114馬力を生み出す490馬力のエンジンは、軽量かつコンパクトな4300cc 90 V8エンジン。フェラーリ・ベルリネッタのパワーウェイトレシオ2.8kg/馬力に及ぶパフォーマンスが提供される。ブレーキングシステムはカーボンセラミックディスクタイプ。また、ギアボックスはF1テクノロジーを反映したもので、ギアシフトのタイミングを150/1000秒のレベルにまで短縮し、最高速度315km/h、0-100km/h加速まで4秒という高いパフォーマンスを持つクルマとなっている。

フェラーリ史上最大の売れ行きを記録した「360モデナ」の後継モデルとして、F1の最先端技術をダイレクトにフィードバックした、とにかく周りを圧するクルマとなっている。