クルマでしか味わえない!辺境グルメ旅Vol.6「いすみ~安房鴨川/房総の春の恵みを”おらが丼”で食べ尽くす」(1/2)
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:オートックワン編集部/いすみ鉄道
このうえなくピュアな辺境グルメドライブへ、イザ!
食べることの情熱にかけては誰よりも負けないと自負するグルメブロガーさんたちが、自ら探し当てた辺境の名店の数々をレポートしてくれる「~クルマでしか味わえない!~ 辺境グルメ旅」。
南房総の早春を求め、千葉在住の編集部員が房総半島を縦断。話題のローカル線「いすみ鉄道」沿線のお花見スポットをチェックしながら、太平洋の恵みをふんだんに用いた南房総の新名物「おらが丼」をご紹介。まずはお腹を空かせて、バーチャルドライブへGO!!
愛車に乗って、あえて「鉄道を観に」ドライブする
クルマのサイトで、しかもドライブの連載記事だというのに、いきなり鉄道のハナシからスタートしてゴメンなさい。
地方のローカル鉄道というと、人口の減少や自家用車の普及にともなって利用客は減る一方で、何処も経営はタイヘン。そんな中、どっこい頑張っているローカル線が千葉にあるのをご存知でしょうか。それは、千葉・房総半島の真ん中を横断するいすみ鉄道。
いすみ鉄道は、JR外房線の大原から小湊鐡道の上総中野までを結ぶ全長26.8kmの路線で、JR木原線を第三セクター化し昭和63年に誕生しました。交通の便が悪い山奥を走っているワケでもなく、人口密集地を走るワケでもなく、かといって主だった観光地もなく、あるのは「何もない」ひたすらのどかな田園風景ばかり。日常の利用客は主に、クルマを運転しない(出来ない)学生や高齢者の方々だとか。
そんな悪条件の中、いすみ鉄道の2011年3月期決算は、売上高で前期比58.1%増を記録するなど、かなり調子いいらしい!
「何もない」をウリにするいすみ鉄道の魅力、あれこれ
その人気の秘密は、「何もない」ところを最大限生かしたところ。昭和40年代からほとんど何も変わっていない(変えたくても変えられなかった!)いすみ鉄道沿線の風景を、逆手に取ったのです。JRでお払い箱となった古~いディーゼルカー「キハ52」を懐かしい国鉄カラーで復活させ、鉄道ファンを集客。変わらない沿線風景と組み合わせることで、「三丁目の夕日」的昭和30~40年代の情景を再現したワケで、鉄道にことさら興味がなくっても、その時代を生きた40代以上の層には実にたまらない感じなのではないでしょうか。
さらに、沿線に千葉県の花「菜の花」を植え、田園風景と菜の花、そして1両か2両編成の長閑なローカル線という、実に得がたいフォトジェニックな景色を生み出すことで、写真ファンにもアピールしたりしてます。
そして、素朴な景色がまるでムーミン谷のようだと、キャラクターの「ムーミン」とコラボ。カワイイ「ムーミン列車」を走らせたりグッズを販売したりして、若い女性客を集めたりするしたたかさも見られるのだからスゴイ。こうした数々の施策を通し、今では房総を巡るツアーの観光バスも立ち寄るほどの隠れた人気スポットと化しているんです。人口が減少する地方の町で、地元のお客さんの数を一定数以上増やすのは相当に困難だけど、わざわざ訪れる観光客なら新たに集められる。そしてプラスの収益を上げることも出来る。いすみ鉄道は、それを身を持って実証してみせた稀有なローカル線なワケです。
今なら「菜の花」とローカル線、そして運がよければ「桜」との見事な組み合わせに出会えるかも!?
温暖な地域ゆえ、例年なら2月中ごろから楽しめる沿線の菜の花は、冬の寒さが厳しかった今年2012年の場合、かなり遅れて3月末から4月が見ごろ! こうなると、桜との組み合わせだって期待出来そう。おお、いいね! で、そのあと6月にはアジサイも見られるというから、こっちもまた来てチェックしてみたいですね。
いすみ鉄道は、沿線最大の町がある大多喜駅や、逆になーんにもないのをウリにしてる国吉駅(なんと駅の中にムーミンショップがある!)に無料(!)駐車場を用意しているから、ここまで愛車で出向き、一部区間を往復で体感してみるのにも具合イイんです。そこの「隠れテツ」なアナタ、家族サービスやデートにかこつけて、ちょっと乗ってみてはいかが? 鉄道に乗らずとも、愛車で東京湾アクアラインと館山自動車道、そして一般道を乗り継いで行けば、東京から2時間くらいで到着しますよ。
列車に乗るなら、一日乗り放題でいすみ鉄道に乗れるフリーきっぷ(大人1000円)が駅員サンが居る大多喜駅で売っているほか、無人駅の場合でも列車内でも買えるから、コチラを買うべし。
わざわざクルマで出かけて、昭和の景色が広がる「何もない」ローカル線に乗る・・・この贅沢さ、分かってもらえるかな?
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
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