BMW X3 xドライブ20dブルーパフォーマンス VS メルセデス・ベンツ Mクラス ML350ブルーテック4マチック JAIA試乗レポート/渡辺陽一郎(1/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正
操舵の曖昧さも払拭され、品揃え豊富となったドイツ製SUV
「ドイツ車もずいぶん変わったなぁ」と思わせるSUVの品揃え。
2000年頃を境にして、ドイツ製SUVが急速に増えた。北米市場の人気に対応した結果でもあるが、従来のドイツ車は頑固で理屈っぽいイメージ。最初は魂を捨てたというか、軟弱になった印象を持った。
実際、1990年代の終盤から2000年頃に試乗したBMWの初代X5、メルセデ・スベンツの初代Mクラスは運転感覚が大味。ドイツ車を選ぶ価値を見い出しにくいと思った。
ところが2005年に試乗した初代の「BMW X3」は、かなり印象が違った。初代X5に比べて操舵に対する曖昧さがかなり払拭され、着座位置は高いものの、セダンの3シリーズに近い感覚で運転できた。「SUVである以前にBMW」。SUVにもブランドの持ち味が反映されるようになった。
そこで現行型の「BMW X3」と「メルセデス・ベンツ Mクラス」を比べてみたい。X3のグレードは直列4気筒2リッターのクリーンディーゼルターボを搭載する「xドライブ20dブルーパフォーマンス」、MクラスはV型6気筒3リッターのクリーンディーゼルターボを搭載する「ML350ブルーテック4マチック」だ。両車とも今が旬のディーゼルエンジンだ。
ファミリーカーとしての快適性を求めるならMクラス
まずはボディサイズだが、Mクラスがひとまわり大きい。Mクラスの全長はX3を160mm上まわる4810mm、全幅は45mm広い1925mm。全高も同様で120mm高い1795mmになる。Mクラスは初代モデルに比べると直線基調を強めたが、それでも背が高く大柄で、いかにもSUVという見栄え。対するX3は背が低く、外観の見え方はサイズが違うものの5ドアハッチバックのX1に近い。BMWのイメージにも合っている。
日本の街中で使うには、Mクラスはいかにも大柄だが、小回りの利きは意外に良い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2915mmに達する4WDで、18インチタイヤを履きながら、最小回転半径は5.5mに収まる。これに対してX3は、全幅が1880mmでホイールベースは2810mm。タイヤサイズは17インチだが、最小回転半径は5.7mと少し大回りだ。
内装の造りは、両車ともセダンに準じたデザイン。インパネは水平基調で機能的に仕上げた。Mクラスの方が少し内装のメッキパーツが目立つが、質感に大きな違いはない。
フロントシートは両車ともに快適。MクラスはSUVらしいリラックス感覚があり、X3は少し引き締まった座り心地だ。このあたりもセダンの持ち味に準じる。
リアシートは足元空間に差が付き、X3はSUVの中でも少し狭め。身長170cmの大人4名が乗車して、リアシートに座った同乗者の膝先に、握りコブシが2つは入らない。Mクラスはホイールベースが105mm、全長が160mm上まわるのだから当然ともいえるが余裕を感じる。ファミリーカーとしての快適性を求めるならMクラス。BMWについてはX3ではなく、ひとまわり大きなX5を選びたい。
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